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オークス

  • 2004年05月24日(月) 13時01分
 先行型に有利なスローペースになることはみんな分かっていた今年のオークス。それだけに好位につけること必至のダンスインザムードの信頼性は高いと考えられた。

 誤算は、レース直前になるとテンションが高くなるとはいえ、本馬場に入ったあと発走直前までにダンスインザムードが、これまで以上に、信じがたいほど激しい気性を前面に出し始めたこと。頭を振り回しはじめてしまった。

 武豊騎手は、もし落ち着いていればフラワーCなどと同様に2〜3番手で先行した可能性もあるが、好位の馬群に入れて折り合わせ、なだめるしかなかった。

 ダイワエルシエーロ(福永騎手)は、前日に自分で先行することを考えたというが、気合をつけて先行したのでもなく、2コーナーを回ったあたりでスムーズにハナに立った。

 前半の1200m通過1分14秒7(後半は1分12秒5)は、ダイワエルシエーロにとって望外のスロー。1600m通過は1分40秒1。

 好位勢も早めにスパートできず、鮮やかな逃げ切り勝ちとなった。より高い適性は桜花賞にありそうに思えた同馬だが、桜花賞で凡走したことにより逆に思い切って先行できた。

 スタミナ型のいない最近は、桜花賞で負けたグループの巻き返しがオークスの波乱の典型的パターンだが、今年もまったくその通りだった。スイープトウショウはダンスインザムードマーク。そのダンスが直線に入って激しくささり失速しかかったため、前のエルシエーロを目標に変えたが、ダンスをマークする形をとったのだから、これは仕方ない。力は出し切っている。距離不安はほとんどみせなかった。今後も2000m級までは大丈夫だろう。ヤマニンアラバスタは、以前の乱戦のオークスなら一気に台頭していた馬だが、自身の馬体の回復もう一歩に加え、レース上がりが47.1−35.0秒では、こういう中距離型の台頭するオークスではなかったのだろう。ドルチェリモーネは、注文をつけたが最後方からでは、届きようがなかった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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