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1年以上の休養明けの馬でもつい手が出る厩舎のコメント/トレセン発秘話

  • 2015年08月21日(金) 18時00分


◆「いきなりから勝つつもりなんだけどね」

 調教技術が進化した現代においても、休み明けが大きなマイナス要素であることに違いはない。半年ぶりぐらいなら、いきなり勝ってしまう馬も少なくないが、1年以上となるとなかなか難しく、前年の有馬記念から丸1年ぶりで1993年のグランプリを勝ったトウカイテイオーなどは希有な例。どんなに量をこなして、動きが抜群でも、競馬にいったら、しまいバッタリ…こんなケースがほとんどだ。だからこそ、この世界では「調教と競馬は違う」とよく言われるのだろう。

 それでも、だ。陣営から確信に満ちた話が出てくれば、ついつい狙ってしまうのが競馬記者の悪い癖。もちろん、その裏には「長期休養明けなら人気も下がるだろう」という、いやらしい思いもあるのだが…。

「いきなりから勝つつもりなんだけどね」

 しれっとこんなことを言い放ったのは、土曜(22日)小倉メーンのTVQ杯(3歳上1000万下、ダ1700メートル)にメイショウパワーズを送り込む本田厩舎の古川助手だ。屈腱炎による離脱で13か月ぶりの実戦では常識的に考えたら“見”なのだが…。

「いいころのデキに戻ったかって? いや、むしろいい時よりさらに良くなっているんだ。以前は稽古でしまいやめるようなところがあったのに、この中間はラストまでしっかり走れてる。本数もこなして、体は出来上がっているし、何よりこのクラスでは力が違うでしょ」

 振り返れば、端午Sでは実力馬コーリンベリーを差し切るなど、休養前はオープンで活躍していた馬。2階級下の1000万下条件では力が違うのは確かだ。

「これからまた上を目指さないといけない馬だからね。ここはしっかり決めたいところ」

 とても休養期間1年超の馬に関してのコメントとは思えないが、それだけ仕上げに自信があるのだろう。ダマされてしまうのか、それとも恩恵にあずかることができるのか。またしても坂路野郎の悪い癖が出たってオチにならないことを祈る。
 (栗東の坂路野郎・高岡功)

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