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マジェスティハーツ、シュウジなど新潟記念、小倉2歳S調教分析

  • 2015年09月02日(水) 18時00分


最終追い切りが少し地味な動きに見えた人気馬とは…

 今週から9月になりましたが、トレセンの調教開始時刻は5時のまま。ちなみにこの時期の滋賀県大津市の日の出時刻は5時半ごろ。つまり、調教が始まる時はまだ真っ暗な状態。2日に撮影したマジェスティハーツの追い切り画像なんて、奇跡的に馬が確認できるものが映ったと感激したくらい。ちなみに私はカメラのプロではないので、これで喜んでいることをご了承ください。

 いつも使っている双眼鏡だと、やっぱり視野が狭くなるのですが、この時期に活躍するのが、ナイトビジョンの双眼鏡。いつも使っているものより口径が小さくなり、本来の視野は狭くなるはずですが、明るい分、いつもの双眼鏡より視野が広く感じるというわけです。今なら5時40分すぎに双眼鏡を交換するのですが、来週も5時開門なので、ナイトビジョンの出番。再来週の6時開門となれば、ナイトビジョンは再び1年のお休みとなります。

【新潟記念/メドウラーク】

 4連勝して、今回が初めての重賞挑戦。というよりも、オープン特別すら出走したことがありません。1600万下で負かした相手も、重賞で活躍しているかといえば、そうでもなく、単に連勝している勢いだけで評価するべきではないと思います。

 ただ、調教内容に関しては安定。8月26日に1週前追い切りを坂路で行っていますが、4F51.8秒は数字的に評価できます。レース間隔を考えると、併せ馬がなかった点は気になりますが、最終追い切りもラスト1Fが速くなるラップでフィニッシュ。開門直後の馬場だったことを考えると、4F54.8秒、1F12.6秒という数字は前走比較でも遅く感じます。追い切りのパターンとしては、大きく変化していないけども、微妙に時計が遅いところが気になります。

【新潟記念/ダコール】

 新潟記念は今年が3年目。13年は4着、14年は12着でしたが、これは最終追い切り栗東坂路での4F時計が関係していると考えています。大きく着順を落とした昨年は4F55.2秒。4着の時が4F53.0秒ですから、速い時計は自身にとっての好走調教でしょう。

 1週前追い切りの時点で、坂路4F53.1秒をマークしていたので、最終追い切りでも速い時計を期待していました。久しぶりに1F目を13.8秒で入った分、最後は1F13.4秒と止まってしまいましたが、坂路4F52.4秒でした。実際、新潟大賞典を制した前走の最終追い切りが坂路4F52.9秒だったので、その比較でも今回は重賞を勝てる追い切りだったと判断してよいでしょう。

【新潟記念/マジェスティハーツ】

 関屋記念がメンバー最速上がり、32.4秒を使いながら2着。惜しい競馬でしたが、これがいつもの形だと思うので、これはジョッキーうんぬんではなく、馬の長所を活かしたレーススタイルだろうと思います。てっきり、京成杯AHを目指すと思いましたが、レース翌週には「左回り」のここに参戦表明。個人的にはちょっと残念ですが。

 1週前追い切りは軽い内容でしたが、最終追い切りはレントラーを追走するCWでの併せ馬。いつもの雰囲気なら、直線に向いて楽に追いつくだろうと思いきや、相手の脚色は鈍りません。こちらも伸びていますが、相手の動きが本当に良く見えました。そういった意味で少し地味な動きに見えたことは事実です。

マジェスティハーツ(9月2日撮影)

マジェスティハーツ(右・9月2日撮影)



【小倉2歳S/シュウジ】

 前走中京2歳Sはマイル戦。にもかかわらず、距離を2F短縮しての出走となりますが、前走のレースぶりや兄にツルマルレオンがいる血統背景からここの参戦を決めたと橋口弘次郎調教師。確かに、追い切りでの動きを見ていても、スプリント戦に戸惑うとは思えないスピード能力を見せています。

 この中間は速い時計の追い切りこそありませんが、1週前にはカレンバッドボーイを追走して馬なりで先着。この相手が2日の追い切りでは軽快な動きを見せており、併せた相手に馬なりで先着。ということは、シュウジの評価が自然と高くなりますし、この馬自身の最終追い切りも時計は平凡ですが、まずまずの動きです。

シュウジ(9月1日撮影)

シュウジ(9月1日撮影)



【小倉2歳S/コウエイテンマ】

 前走は小倉競馬場に滞在して、ダート馬場での追い切り。中2週で最終追い切り1本しかなかったので、不安視していましたが、なんのことない快勝。中京2歳Sで減っていた馬体が戻ったことも勝因に挙げてよいでしょう。

 今回は坂路でクリノシャンボールとの併せ馬。動きは軽快でしたが、その時計は4F55.0秒と川村厩舎にしては速い部類の数字。今回も中2週で1本ですが、前走よりも評価できる内容でしょう。ただし、これでまた体が減ってしまうようだと今回の追い切りがオーバーワークだったということ。そのあたりの見極めは必要ではないでしょうか。

◆次走要注意

・8/29 札幌 千歳特別【トーセンペンタゴン】(12人/11着)

 先週末は札幌競馬場で仕事だったので、このレースのパドックもじかに見ることができました。ひと際入れ込みが目立つ馬でしたが、馬体は決して悪くなかったと思います。
 やっぱり滞在競馬の方が馬体が戻りましたし、もし連闘可能なら面白いでしょうし、美浦に戻れば、一泊する競馬場で結果が出るでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・8/30 札幌 3歳上500万下【アルバート】(3人/1着)

 パドックの周回では外目を歩くも、やや頭を下げていました。これでジョッキーが跨って気合が乗ってくればと思っていたら、まさにそんな感じでレースは快勝。
 もちろんジョッキーの手腕が勝利に導いてくれたと思いますが、本来ならオープンでも活躍できる素材だと思うので、次走以降もパドックの気配次第で狙ってみたい馬です。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]パドックの騎乗号令で気合が乗れば勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・ローズS【シングウィズジョイ】
 今朝はCWでファルスターとの併せ馬。先行していたこともありますが、直線で内から相手が迫ってくると引っ張ったままの手応えで相手に並びかけていく感じ。相手が追っても追っても追い抜くことができず、最後は少し先着している感じ。
 先週の時点からフットワークが大きくなった印象でしたが、今朝の動きを見ていると、それを再確認できました。栗東で見ている3歳牝馬では、この馬の成長度が一番だと思えます。
シングウィズジョイ(9月2日撮影)

シングウィズジョイ(9月2日撮影)

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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