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ディープの成功パターンが山盛り、ヴィルシーナの全妹ヴィブロス

  • 2015年09月09日(水) 12時00分
ヴィブロス(牝 栗東・友道康夫 父ディープインパクト、母ハルーワスウィート)
 ヴィクトリアマイル(GI)を2連覇したヴィルシーナの全妹。母ハルーワスウィートは5勝を挙げて準OPまで出世した。その半弟にはフレールジャック(11年ラジオNIKKEI賞-GIII)とマーティンボロ(14年新潟記念-GIII、14年中日新聞杯-GIII)がいる。この2頭はディープインパクト産駒なので、本馬と4分の3同血(父が同じで母同士が親子)の関係にある。Nureyev、Blushing Groom、Mr.Prospectorを併せ持つディープインパクト産駒なのでオークス馬ミッキークイーンと配合構成がよく似ており、父と相性のいい血が詰め込まれているので、ディープ産駒の配合としては文句なしのA級。馬のデキに問題なければ姉同様の活躍が期待できる。

エッジースタイル(牝 栗東・高橋義忠 父ハービンジャー、母ランズエッジ)
 クイーンC(GIII)3着馬ロカの全妹。母ランズエッジは未勝利馬ながら、ディープインパクトの4分の3妹にあたる良血。2代母ウインドインハーヘアは柔らかさを伝える血なので、デインヒル系の力強い中長距離血統である父ハービンジャーには合うだろう。ハービンジャー産駒のLyphardクロス馬、同産駒の牝馬はもうひとつ走っていないが、本馬の全姉は重賞で馬券になったことがあるので問題なさそう。姉同様の活躍を期待したい。

タランテュー(牝 栗東・宮徹 父Zoffany、母Tamada)
 父Zoffanyはスタミナに定評のあるDansiliを父に持ちながら、フィーニクスS(愛G1・芝6f)を勝ち、セントジェームズパレスS(英G1・芝8f)でFrankelの2着となるなど、マイル以下でスピードを武器に活躍した。現2歳世代が初年度産駒で、現時点で英愛ファーストシーズンサイアーランキングでトップに立っている。母の父Lucky StoryはヴィンテージS(英G2・芝7f)、英シャンペンS(英G2・芝7f)の勝ち馬。自身は「デインヒル系×Roberto系」で、その部分だけを見れば重たい印象は否めないが、父、母の父はいずれもスピードタイプで、なおかつ自身はMr.Prospector 4×5。仕上がりの早さと距離適性に関しては問題ないだろう。あとは日本向きのスピードがあるかどうか。ここをクリアできればおもしろい。牝馬なので素軽いタイプに出ていれば。

フェザリータッチ(牡 栗東・吉田直弘 父ダイワメジャー、母カメリアローズ)
 全兄ダローネガは重賞勝ちの経験こそないものの、デイリー杯2歳S(GII)2着、小倉大賞典(GIII)3着など、重賞で再三好走している。母の父ホワイトマズルはダンシングブレーヴの代表産駒の1頭で、ダンシングブレーヴの母の父はドローン。母方にDroneまたはその相似な血であるSir Ivorを持つダイワメジャー産駒からは、カレンブラックヒル、ダイワマッジョーレ、トーセンベニザクラ、アストラエンブレムなどの大物が出ているので本馬にも期待したい。

リュラ(牝 栗東・松田博資 父ステイゴールド、母ヒストリックスター)
 桜花賞(GI)、札幌記念(GII)など4つの重賞を制したハープスターの4分の3妹。父はディープインパクトからステイゴールドに替わった。母ヒストリックスターは不出走馬ながら、アドマイヤドン、アドマイヤベガ、キャプテンベガ、アドマイヤボスの半妹にあたり、2代母ベガは桜花賞(GI)とオークス(GI)の二冠を制している。本馬は父が替わってどんなタイプに出るのか興味は尽きない。最近のステイゴールド牝馬は2〜3歳戦での活躍が目立つ。幅広い距離に対応できそうなタイプなので、気性面の問題がなければ桜花賞からオークスまで不安なく戦えそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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