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ユニコーンS

  • 2004年06月04日(金) 11時21分
 01年からのこの時期に移ったユニコーンSは、まだ典型的なダート巧者が判明していないケースが多い。ヒントの1つは、昨年のユートピア。戻って00年アグネスデジタル、97年タイキシャトルなど、最初からダート中心にばかり出走していたのではなく、芝のトップクラスでも通用していた馬が、ここで一気にその真価を発揮し始めること。ダート専用のタイプは、将来はそれでもいいのだけれど、ここまで強い相手と戦っていないことが多い。ダートで2勝、3勝の成績は、自身のダートの巧さを示すと同時に、クラシックを展望していた強いグループと最初から対戦していない危険がある。

 初ダートは大きな死角だが、ダイワバンディットに期待したい。この新潟2歳Sの勝ち馬は、中央場所に戻ってちょっと不振だったが、3〜4走前は58キロを課せられるなど大きな不利もあった。前走、NHKマイルCは4着。カメハメハには離されたが、コスモサンビーム、メイショウボーラーとは差がなかった。決して早熟な非力型ではなく、条件さえ合えば、再び軌道に乗るだろう。

 父母両系の血筋を並べると、ボールドルーラーのクロスを中心に、ヴァイスリージェント、ミスタープロスペクター、ラジャババ、カポウティ…などが組み合わされた典型的なアメリカ血筋で、普通この血統で坂のある中央場所の芝コースで快走せよというのは、どだい無理とさえ思えてくる程だ。

 平坦の新潟で、それも一定の平均ペースになった新潟2歳Sを制したのも納得。この馬、芝なら平坦しか走らず、典型的なアメリカ血筋の“ダート巧者”そのものであって不思議ない。攻め馬は動く。迫力のストライドで、いつも乗っている牧原騎手がなだめても、好時計で動く。今回は初ダート。もちろん半信半疑だが、巧者の公算極めて大なのだから、見送ることもないだろう。今回が狙いだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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