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サトノアラジン、王者の風格

  • 2015年10月22日(木) 19時00分


 秋もだいぶ深まって参りました。とはいえ、日中は暑い。いや、正確にいうと太陽の日差しが熱い。そして朝晩はかなり冷え込むので、そのギャップに悩まされます。厩舎ではだいぶ風邪も流行っています…。皆さんは大丈夫ですか?

 秋華賞では惨敗してしまったレッツゴードンキの様子を見にいくと、お腹のあたりに冬毛がチラホラ。牝馬のほうが冬毛が出やすいものですが、もうそんな季節なんですね。

ねぇさんのトレセン密着!


「最近は朝晩の寒暖の差が激しい。だから、下手に馬服を着せられないんですよ。だから冬毛が出ているだけ。心配ないですよ」と寺田助手。ドンキも寒暖の差の影響を受けていたんですね。馬服を着るようになれば冬毛もおさまるかもしれません。でも、人間のように自分の好きなタイミングで脱いだり着たりできない。だから、着るに着れないという状況なんです。それでも、まぁドンキは元気そうなのでよかったです。秋華賞では結構行きたがって脚を使っていたからその後の様子を心配してました。

「まぁ、レースのダメージもなく元気なのでよかったです」(寺田助手)

 カイバもしっかり食べているようですし、顔も穏やか。

 あの敗戦について調教パートナーの西原助手は「状態はすごくよかったですね。真面目な馬なので、道中も真面目に走りすぎてしまうんでしょうね」と悔しそうでしたが。こうなってしまうのも、ドンキらしいといえばドンキらしいですよね。春よりだいぶパワーもついているので、岩田騎手をもってしてもうまく抑え切れなかったのも仕方ないのでしょう。

 梅田師によれば「次走はマイルチャンピオンシップ」とのこと。今後は距離を詰めて使うことになりそうです。来春のヴィクトリアマイル、あるいはスプリント路線に進むことになるのでしょう。

 今週の富士S、GIIIとは思えない豪華なメンバーになりましたね。3歳馬のヤマカツエースは夏の北海道での2戦のあと、ひと息入れて調整してきました。函館記念と札幌記念の馬体重はいずれも470キロ台でしたが、今回はいかに?

「体は480キロ台に戻っているよ。夏は状態がいま一歩だったけど、それでも健闘しているように力はある」と土屋助手。

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 距離についても「1400からマイルというより、1800や2000にも適性があるように感じる。だから、東京のマイルは全く問題ないでしょう」とのことでした。天皇賞(秋)も登録していたけれど、除外濃厚ということで富士Sにまわった悔しい一戦。

「恥ずかしい競馬はしないよ」と土屋助手。実は自信があるときにいつもこう言うんですよ。ここは狙い目!

 そして、サトノアラジン。いやー、良血ぞろいの池江厩舎の中でもホント素晴らしいという言葉しかでないくらい凄い馬です。雄大な馬格をだいぶコントロールできるようになったようですけど、まだもてあましている感じは否めませんよね。

「まだトモなどゆるい部分があります。成長曲線のカーブはまだ完成の域には達していません」と担当の山元助手。

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 そしてね、いまのアラジンはほんとに凄いんですよ。雰囲気が。威風堂々。皆さんはこの威圧感を今週のパドックで味わってください!

 4歳牡馬となると、だいぶ精神的に大人になっている馬も多いものですが、アラジンはまだよくも悪くも“若い”。それが悪いほうに出ると、詰めが甘くなってしまったりしますが…。

「4月の中山開催(3走前の春興S)で上がり32.7の脚を使った馬です。これだけ凄いエンジンを持つ馬はなかなかいない。富士Sでもきっちり自分の力を出して欲しいです」(山元助手)

 東京でもあの鬼脚が見れるかもね!

 最後にタップザット。今週、ふたたびダート戦への出走が予定されていましたが、馬主さんの都合で急遽オーストラリアに移籍することが決まりました。オーストラリアにダートはあるの?と調べたところ、大きなレースはないようですね…。カントリーコースと呼ばれる田舎の競馬場が中心なんだそうです。ということは、芝を走るのかな?ドバイのときに結構取材した馬だし、残念ですがこれも運命!南半球での活躍を期待していますよ。

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デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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