7歳の夏になって一段と強くなり、さらに進展するからタップダンスシチーはすごい。6歳の春に東京2400mを圧勝して以降、6〜7歳に合計「6勝」となった。7歳時に宝塚記念制覇はスピードシンボリ以来(昭和45年)だが、あのスピードシンボリもベテランになってからこれほど強かったわけではない。
2分11秒1は、宝塚記念(阪神での)レコード。それもローエングリンの作った前半58秒5のハイペースを、3角手前で早くもかわして独走し、2000m通過は1分58秒4。自身の持つ阪神2000mのレコードと差はなかった。自力でのスピード記録でもある。
このあと凱旋門賞だけで年内は切り上げ、10歳まで走るというが、本当に10歳までトップグループの1頭かもしれない。
さからのぼる直父系の4代前の父がリボー(凱旋門賞2連覇など16戦無敗)。この父系は最近の日本ではあまり人気がなく、アメリカで少しだけ生き残っている形の父系だが、まさにリボー直系の底力がある。ぜひ、種牡馬となってリボー系の存続も果たして欲しいものだ。凱旋門賞に直行は厳しい挑戦になるが、こういうレース運びをする馬は少なく、エルコンドルパサーのようなレースが再現されても不思議はない。
5歳シルクフェイマスが2着。こちらも文句なくトップグループに入った。一度はタップダンスシチーに接近している。この2頭が強すぎたため、改めて4歳馬のG1でのレベルが言われることになるが、連続2着できていたツルマルボーイが、ほぼ昨年と同様の内容で6着止まり。今年は1〜2着馬が強すぎたためもある。ローエングリンに期待したが、タップダンスシチーとの総合力の差はいかんともしがたく、3コーナーでかわされてしまっては抵抗すらできなかった。人気の4歳ゼンノロブロイも、これははっきり能力の差で最後は力尽きている。リンカーンもほぼ同じレベルだった。