強運娘リラヴァティ、タッチングとの2頭出し 石坂師の“予言”当たるか
◆「これだけ運がある馬は、なかなかいない」
枠順、天候、馬場状態…。自身の力ではどうしようもない部分が勝敗を左右するのが競馬。どんなにポテンシャルが高くても、運がなければ能力に見合った“果実”を得られず、競走生活を終えてしまうこともある。
例えば2007年のオークスでハナ差で栄冠を逃したベッラレイア。3歳時はありえないくらいの除外に泣き、古馬になってからはレースのたびに雨が降って自慢の末脚を封じられた。あの馬にもう少し運があれば、GI馬になっていた可能性も十分にあった。
「この馬はすごく運がいいんだ」
こんなことを言うのはエリザベス女王杯にリラヴァティを出走させる桑村助手だ。
「3歳時はチューリップ賞で3着に入って権利を取り、桜花賞に出走できたし、ローズSでも同じく3着で秋華賞に出ることができた。今回のエリザベス女王杯も(補欠1番手から)繰り上がってのGI出走。これだけ運がある馬は、なかなかいないと思う」
ローズSは4着馬とハナ差の接戦でGI出走権を獲得。今回にしても、あと1頭オープン馬がエントリーしていれば、準OP在籍のこの馬は問答無用で除外されていた。リラヴァティは競馬に絶対必要な“運”を持っている。
ちなみに桑村助手は有力馬の一角タッチングスピーチも担当しており、「GI2頭出し」となる。もっぱら紙面に躍るのはタッチングスピーチの方だが、2歳夏からずっと世話をしてきたリラヴァティにも同じように頑張ってほしいと願っている。
「すごく元気が良くて、最近の中では一番状態がいい。近走は自分の競馬ができていないだけ。それさえできれば、しぶといことは分かっているからね。さすがに上位の馬は強いけど、そこまで格負けはしないはず」
管理する石坂調教師は会見でこう口にした。
「リラヴァティはタッチングスピーチの隣の馬房にいて、いつも仲良くしています。たぶん(レースでも)一緒に上がってくるんじゃないか。そう思っています」
スンナリ前に行けた時は、思いもよらぬ粘り腰を発揮するリラヴァティ。大一番で自身の強運を発揮して、大駆けする可能性も考えておきたい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)