7歳ホワットアリーズンは、皐月賞、マイルCSを制したジェニュインの5歳下の全弟。
当然、大きな期待を受けてデビューしたが、4歳時までに1000万下のクラス(下級条件)を5勝したあと、準オープンに上がってからは[0-3-3-10]。どうしてもあと一歩が足りず、詰めが甘く、もう2年近くも勝っていない。
愚弟かというと、実はそんなこともなく、全兄弟はほかにタガノラピス、グレートサン、クルーピアスターなどがいたが、みんなたいしたことはない。ジェニュインにしてからが、2着が7回(5勝)もあった馬で、たまたまG1を2つ勝ったが、ともに首、半馬身差の辛勝で、サンデー産駒の中では、スパッと切れる馬ではなかった。
どうやらこれは、母の父ワットラック(その父ボールドルーラー)の、ちょっと甘い弱みをフルに受け継いでいるようで、種牡馬になって活躍中のジェニュインの産駒は、その大半がダート向きの少しジリ脚質に出てしまっている。
ホワットアリーズンは4歳秋に去勢され、さらに転厩して、このまま「期待の割にあまり走らなかった馬」の仲間入りをする危険もあるが、最近好走しているのは1200m〜1400mの短距離。また、前走こそ前が壁になって4着にとどまったが、勝負どころでスパートしてなだれ込める平坦の小回りコースが合っている。ボールドルーラー、インテンショナリーを筆頭に、アメリカのダート血脈が強く出た血筋そのもので、ベテラン7歳馬、もうひと花咲かせるとしたら、ローカルの平坦小回りコースを狙うしかない。
今回は56kg、そう速い馬もなく、強気に展開すれば好位マークも可能な組み合わせ。
狙いすまして中舘騎手。ここで勝てないようなら、もう本当に…というくらい好走可能条件がそろっている。