出世レースの代表格
昨年の出走馬からは、ダービー3着のサトノクラウン、シンザン記念のグァンチャーレが出ているくらいだが、このG3は近年の「出世レース」の代表格。2013年からさかのぼって2005年まで、「9年連続」して、出走馬の中にのちのG1ホースが含まれている。日本ダービー馬「ワンアンドオンリー、ディープブリランテ、メイショウサムソン」を筆頭に、イスラボニータ、ジャスタウェイ、ドリームジャーニーなども、この東京スポーツ杯2歳Sに出走して、光る素質を早くに示していた馬である。
たとえ好走できなくても、出世レースを承知で、大志を抱いて挑戦する馬がほとんどだから、駒を進めてきた馬を忘れてはいけない。路線の目安の馬になって、検討を助けてくれるケースもある。
ロスカボス(父キングカメハメハ)に期待する。新馬は、左回り中京の重馬場の1600m。超スローを上がり34秒7で差し切り勝ち。2戦目は、右回り阪神の良馬場の1800m。最後方から上がり34秒9で再び差し切り勝ち。
大きく異なる条件のレースを、決して器用に立ち回ったわけではないが、上がり34秒台でねじ伏せて連勝したから、秘める資質は高い。これからどんどん変わっていくだろう。
父キングカメハメハは昨年あたりから体調一歩を伝えられるが、産駒はラブリーデイ、ドゥラメンテ、ホッコータルマエなど、頂点に立つ活躍馬が続出している。
ロスカボスの母マンハッタンセレブ(父サンデーサイレンス)は、マンハッタンカフェの全妹。ビッグレース向きの底力を秘める可能性が高い。2歳馬でもどんどん乗り替わるなか、M.デムーロ騎手とのコンビを崩す気配はない。
みんな前半は控えそうだから、強気に出るなら主導権を握れそうな
キラージョー(父ハーツクライ)は侮れない。スローの新馬1800mだったとはいえ、スパートした後半、「11秒5-11秒0-11秒0」でストライドを伸ばしていた。
プロディガルサン(リアルスティールの全弟)、
スマートオーディン、牝馬ながらここにぶつけてきた勢いに乗る斎藤誠厩舎の
アグレアーブルも侮れない。