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秘める高い資質/東京スポーツ杯2歳S

  • 2015年11月22日(日) 18時00分


出世レースの代表格

 昨年の出走馬からは、ダービー3着のサトノクラウン、シンザン記念のグァンチャーレが出ているくらいだが、このG3は近年の「出世レース」の代表格。2013年からさかのぼって2005年まで、「9年連続」して、出走馬の中にのちのG1ホースが含まれている。日本ダービー馬「ワンアンドオンリー、ディープブリランテ、メイショウサムソン」を筆頭に、イスラボニータ、ジャスタウェイ、ドリームジャーニーなども、この東京スポーツ杯2歳Sに出走して、光る素質を早くに示していた馬である。

 たとえ好走できなくても、出世レースを承知で、大志を抱いて挑戦する馬がほとんどだから、駒を進めてきた馬を忘れてはいけない。路線の目安の馬になって、検討を助けてくれるケースもある。

 ロスカボス(父キングカメハメハ)に期待する。新馬は、左回り中京の重馬場の1600m。超スローを上がり34秒7で差し切り勝ち。2戦目は、右回り阪神の良馬場の1800m。最後方から上がり34秒9で再び差し切り勝ち。

 大きく異なる条件のレースを、決して器用に立ち回ったわけではないが、上がり34秒台でねじ伏せて連勝したから、秘める資質は高い。これからどんどん変わっていくだろう。

 父キングカメハメハは昨年あたりから体調一歩を伝えられるが、産駒はラブリーデイ、ドゥラメンテ、ホッコータルマエなど、頂点に立つ活躍馬が続出している。

 ロスカボスの母マンハッタンセレブ(父サンデーサイレンス)は、マンハッタンカフェの全妹。ビッグレース向きの底力を秘める可能性が高い。2歳馬でもどんどん乗り替わるなか、M.デムーロ騎手とのコンビを崩す気配はない。

 みんな前半は控えそうだから、強気に出るなら主導権を握れそうなキラージョー(父ハーツクライ)は侮れない。スローの新馬1800mだったとはいえ、スパートした後半、「11秒5-11秒0-11秒0」でストライドを伸ばしていた。

 プロディガルサン(リアルスティールの全弟)、スマートオーディン、牝馬ながらここにぶつけてきた勢いに乗る斎藤誠厩舎のアグレアーブルも侮れない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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