高速の芝が続く福島1800mとあって、1分47秒1の好時計になったが、直前の1000万特別が1分46秒6。時計うんぬんは今年の場合、とくに意味がないだろう。
勝ったケイアイガードはいかにも自在のスピード型らしく、早め早めに流れに乗れた。前走の中京1800mでも好位追走から抜け出して完勝。優れたスピード能力を前面に出してきた。父デヒアは、フレンチデピュティなどと同じデピュティミニスター産駒。外国産馬トーヨーデヘアなどで知られるように、パワー兼備のスピード型。母は種牡馬アレミロードの半妹で、その父はマンノウォー系のリローンチ。平坦コースに対する適性もきわめて高いといえる。
久しぶりに福島に松永幹夫騎手が駆けつけたが、巧みに流れに乗って抜け出すタイプで、いかにも松永騎手向きの馬ともいえる。菊に向け早くも好スタートを切ったが、目指すは中距離のレースになるだろう。
カンパニーは4月のベンジャミンSのあと立て直す形になったのが好結果。プラス16キロの馬体重は太めではなく、体つきがしっかりしてきた。こちらも母系はビッグテースト、ビッグショウリなどで知られる一族。父母両系から、勝ったケイアイガードより距離の幅は広いだろうが、必ずしも菊花賞向きとはいえない体型で、本質スピード型だろう。
2連勝できていたハットトリックは、当日輸送なしにも関わらずマイナス12キロ。とくに細く見えなかったが、使い出して3戦目。一戦ごとに馬体が減り、ちょうど疲れの出るパターンだったのだろう。出遅れたうえ、道中はもまれて競馬をしたのは直線だけ。立て直したい。当然、ひと息入れるだろう。
赤木騎手のマイネルベナードは、ゆったりした距離に連続して出走していたためか、本来の先行策が取れなかった。ナイキアローはどうやら右回りの小回りコース向きではない。