◆全厩舎を対象に見る「2歳戦で使う厩舎」
今年の赤本でPOG期間内の平均出走数が多い厩舎というのを調べ、一流厩舎の中でも矢作厩舎や音無厩舎、松田博厩舎は数を使ってくれるアドバンテージがあるということを紹介した。
その特集では成績の良い厩舎というところから入って平均出走数を計算したので、対象は限られていた。では、全厩舎を対象に見ると「使う厩舎」というのはどこになるのだろうか?
今回は分かりやすく、2歳戦の出走数を見てみることにする。馬房数や所属馬の年齢構成を無視した話ではあるが、これはこれで興味深いものだ。なお、2015年については12/7時点での数字となる。
※数字は出走数(実頭数)
2015年(12/7現在)
坂口則86(24)、岩戸77(21)、森76(23)、矢作75(23)、川村73(17)
2014年
小桧山102(25)、蛯名利85(24)、水野84(25)、和田雄82(22)、矢作79(25)
2013年
武市91(25)、和田道86(28)、蛯名利84(23)、川村81(18)、武藤77(22)
2012年
和田道115(37)、伊藤大85(26)、山内83(21)、目野81(18)、牧74(27)、小野次74(23)
2011年
和田道107(33)、武藤75(30)、目野73(20)、菊川72(20)、和田正72(25)
複数回登場する厩舎がいくつかあるので、やはり「2歳戦から使ってくる厩舎」という概念は成立するのだろう。また、和田道厩舎のように絨毯爆撃よろしく頭数そのものを投下してくるスタイルもあれば、川村厩舎のように下ろした頭数は少ないのだが1頭あたりで多く使ってくるスタイルもある。ちなみに川村厩舎は2011年の6位でもあり、そのときが16頭で71走。やはり下ろした頭数そのものは多くない。
頭数勝負の厩舎は無事にデビューする率が高く、外厩との連携がうまくいっているとも解釈できる。反対に回数勝負の厩舎は、デビューした馬の状態維持に長けているのかもしれない。
いずれにしても特徴があるというのは良いことで、このあたりの厩舎、POGでは穴狙いに意識してもよいだろう。デビュー率が高いか、個別の馬の出走数が多いかどちらかなのだから。