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弥彦特別

  • 2004年07月16日(金) 12時12分
 新潟の外回りの3コーナーは、競馬場にいると双眼鏡でも一団の馬群を後方から見る形で、テレビ用のカメラには及ぶべくもない。直線1000mもそうだが、競馬場に行くより、テレビ画面の方がずっとレースが見える。広く長いのはいいことだが、臨場感は極めて乏しい。

 長い外回りの直線。切れ味というより最後はバテないスタミナの裏付けが求められることが多い。特にゴール寸前の1ハロンは、我慢比べになる。甘い仕上げの馬は最後に止まる。スピードや一瞬の切れでは通用しない。

 マチカネリュウセイに魅力がある。本格化しかかった4歳春から長く休んだため、めったにパンとした状態で出走することはなく、5歳馬ながらキャリアはまだ16戦。器用なスピード型ではない。

 ところが今春、ようやくビシッと追って出走すると、新潟1800mを1分46秒3で完勝。1000m通過60.0秒のスローで、とても時計の速くなるペースではなかったが、この馬の上がりは33.5-11.4秒。楽々と抜け出してみせた。相手は500万の必ずしもレベルの高い相手ではないが、ようやくこの馬の1番良いところが出た印象だった。

 父エルプラド(芦毛)は、父サドラーズウェルズ直仔ながら、珍しくアメリカで大成功。メダグリアドーロなどの活躍で、北米の種牡馬成績02年1位、03年2位に台頭している。スタミナ兼備のスピード型を送り出した。

 前走のマチカネリュウセイには、その良さがフルに現れている。不器用な大型馬のため小回りコースはスパートのタイミングが難しく、一瞬の切れ不足に泣くことも多いが、外回りの新潟1800mなら不足はない。

 タフなレース経験のある古馬を中心にしたいレースで、スピードだけでは苦しいだろう。

 穴馬は、ビシビシ追って石崎騎手を配してきたコスモインペリアル。これまでランクはOPだった。得意の平坦で新1000万なら力負けはない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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