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青函S

  • 2004年07月23日(金) 11時23分
 函館の芝コースは、寒冷地用独特の芝とあって、きわめてタフな芝であることは知られる。1800〜2000mはペースもあって時計の比較が難しいが、1200mで他場より約2秒は時計がかかる。昨03年は、そういう函館にしては心もち時計が速かったが、それでも芝1200mの最高時計は、ビリーヴの1分09秒3だった。今年はその函館スプリントSが1分09秒4(シーイズトウショウ)。ほぼ昨年と同様ともいえるが、全体の傾向をみていると、昨年よりは心もち時計がかかっている。だいたい例年の函館のパターン通りだ。

 ここも、勝ち時計は1分09秒後半から1分10秒0くらいだろう。軽い芝コースと約2秒も違ってはっきりするのは、失速して負ける場合、新潟や福島より「止まり方」がきつく映ること。大きく負けたように見えても、失速した場合は仕方がない。着差をあまり重視しない方がいい。

 アタゴタイショウは、函館の芝[2-2-1-2]のコース巧者。着外に終わった2回の敗因はきわめてはっきりしている。新馬初戦が12頭立ての11番枠。そして前回の函館スプリントSが16頭立て11番枠。ともにコーナーで外を回る形になるとどうもスムーズでなくなる。

 函館での好走も、同じ右回りの福島での快走も、アタゴタイショウはいつもインに潜り込んでいる。他馬が嫌がることの多い内枠大歓迎が、この馬の勝負強さと、隠れた好走のパターンだった。

 今回は願ったりの内枠2番。ここだと強気に先行するしかない。たまたま隣の3番ナムラビッグタイムは一気に行くだろうから、指定席のインの好位追走になる。G1・高松宮記念でも、良績なしの左回りながら、インに潜り込んで0.3秒差(57キロ)だった記録がある。

 穴馬は、本来は行きたいのに出足一歩のココモキング。こちらは包まれない外枠を引いたのがプラスと出そうだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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