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“自己ベスト”更新! シンザン記念は急上昇の1頭に注目

  • 2016年01月08日(金) 18時00分


フェアリーSのリセエンヌは「中山も歓迎」なタイプ

 今週のトレセンは全休日がなく、5日の東西金杯が終わったら、翌日は今週末の追い切りというローテーション。競馬翌日にトレセンに行くというのは、かなり感覚が狂いました。しかし、いざ双眼鏡を持つと、そのモードに入れるというのは、やっぱり体にトレセンが浸み込んでいるということでしょうね。

 ここではシンザン記念とフェアリーSの出走予定馬の追い切りを取り上げていますが、3日間開催では、なかなか面白そうなレースが盛りだくさん。今から予想するのが楽しみなくらいなので、ハードスケジュールではありますが、充実した週末になってくれるはず。ただ、週末は各地で冬本来の寒さになるようですから、競馬場にお出かけの方は、油断せずに厚着された方がよいと思います。

【シンザン記念/ノーブルマーズ】

 前走はシンザン記念と同じ京都芝1600m外回りのデイリー杯2歳S。離された3着ですが、勝ったのは朝日杯FSで人気を背負ったエアスピネル。その物差し論だと、1勝馬でも能力上位なのは明らかです。

 問題は2ヶ月ぶりの仕上がりですが、中間の追い切り本数はそれなり。最終追い切りはCWでナリタロックを追走する内容でしたが、外を回って楽に先着。前走のレースに関して「ハナに行かなくても、きっちりレースができたので、今回もハナにはこだわりません」と宮本博調教師。それを想定するような、番手からの追い切りもできましたし、上位争いすることは間違いないと思います。

ノーブルマーズ(1月6日撮影)

上位争いすることは間違いないノーブルマーズ(1月6日撮影)



【シンザン記念/ラルク】

 新馬戦を勝った後、騎乗した武豊騎手が絶賛したということもあるのでしょう、netkeiba.comの予想単勝オッズが2番人気。こういった馬が無敗でクラシック路線に進んでくれると、競馬全体が盛り上がっていくだけに、応援という意味では出走、快勝という流れは歓迎です。

 ただ、前走から2ヶ月以上のレース間隔があって、この中間の追い切り本数は少なめ。さらに最終追い切りは前半の入りが少し遅かったこともあり、4F56.3秒と時計が遅くなりました。併せ馬を行っていたので、極端に負荷が軽いということはありませんが、年明けの追い切りの時計がCWでも坂路でも遅いので、その点はかなり心配。やれば動くタイプだけに、追い切りの少なさが結果に直結するとは断言できないものの、人気するなら一歩引いて評価してみたい感じです。

【シンザン記念/ピースマインド】

 デビュー前からCWでの動きも目立っており、結果は出してくるだろうと想定できた馬。しかし、新馬戦は負けた相手が後のG1ホース。2戦目の圧勝劇を見れば、この馬の能力の高さも相当であることが分かると思います。

 この中間はCWでの追い切りを年末に、年明けは坂路での追い切りとなりましたが、実に順調な感じ。最終追い切りは藤岡康太騎手が跨って、単走での動きでしたが、4F52.3秒は自己ベスト更新の走り。ストライドの大きなフットワークは確かに中距離向きかも知れませんが、マイルでも京都芝外回りなら問題ないはず。なにより、坂路でこれだけの時計が出るようなら、マイル戦のスピードに対応できないとは思えません。

【シンザン記念/レオナルド】

 2戦1勝ですが、勝った未勝利戦はレベルが高くて、その時の2着4着はすでに勝ち上がり。かなり魅力的なメンバーが揃ったシンザン記念ですが、この馬もそのラインナップに入ることができる素質馬だと思います。

 最終追い切りはCWでオーサムレジェンドを追走して、最後は馬なりで同入。5F追い切りということで、時計が遅くなりましたが、終いの鋭さはかなり見応えがありました。時計が遅いのは前走時と同じですし、むしろ手応えが馬なりでラストが伸びたことを考えると、今回の方が状態は上向いているといった感じです。

レオナルド(1月6日撮影)

前回よりも状態は上向いている印象のレオナルド(1月6日撮影)



【フェアリーS/リセエンヌ】

 牡馬に混じった前走の重賞が4着。追い切り本数が少ない状態で出走して4着という結果ですから、正直、まだまだ上積みがありそうな感じ。前走時の馬体重が418キロと小柄な体ですが、ダイナミックなフットワークでそんなことを感じさせないところもよいですね。

 最終追い切りは前走時と同じDP。単走でしたが、重心の低いフットワークで、前走時よりも速い5F時計をマーク。関東圏への輸送も克服しており、追ってから渋太いところがあるので、中山も歓迎でしょう。個人的には昨年2着の同厩舎ローデッドに似た走りをしている印象なので、内枠よりもむしろ外枠の方がよいでしょう。

リセエンヌ(1月6日撮影)

前走時よりも速い5F時計をマークし、中山も歓迎のリセエンヌ(1月6日撮影)



◆次走要注意

・1/5 京都3R【クリノウィンザー】(7人/7着)

 人気と着順が同じだから、妥当な結果と思うかも知れませんが、もう少しスムーズなレースなら勝ち負けできたというのが、個人的な見解。スタートがあまりよくなかったこともあり、道中は中団の内でしたが、仕掛けたいところで上がっていけなかったのは痛恨です。
 このクラスでも十分に通用しますし、今回の砂を被った経験が活きてくれば、更に強い相手でも好勝負できるはず。

[メモ登録用コメント] [ダート1800m]須貝尚介厩舎の勝負調教なら勝ち負け

・1/5 京都7R【ワキノハガクレ】(9人/4着)

 道中は内のポケット。不利を受けることなく、直線は進路を探すだけだったが、追い出しが遅く、結局は差し遅れた形。
 坂路での追い切りでラスト1Fが最速になるラップを踏めば、レースでもきっちり末脚を使えることが証明しているだけに、次は決めたいところでしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート]最終追い切り栗東坂路でラスト1Fが最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【レッドアヴァンセ】
 単勝1倍台濃厚なので、取り上げることに迷いがありましたが、あまりにも6日の追い切りが素晴らしかったので、取り上げています。
 ここを勝つのはもちろん、あの走りができるようなら、桜花賞に駒を進めてほしい。そう思わせてくれる、余裕がありながらスピード抜群の追い切りでした。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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