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シンザン記念、人気馬の死角と複穴候補は?

  • 2016年01月08日(金) 18時00分


◆新馬組はうまみがない

 今年のシンザン記念は新馬・未勝利を勝ちたての馬が多く、ラルクジュエラーのように1戦1勝から人気になりそうな馬もいる。これを取るのか消すのか、あるいは押さえまでにするのか、その選択がポイントになりそうだ。

 前走新馬戦を勝った馬ばかりの馬がシンザン記念に出たケースは、過去30年まで遡っても[0-2-2-36]と勝ち鞍がない。折り返しの新馬戦があった頃のキャリア2〜3戦組を除き、純然たる1戦1勝馬に限っても[0-1-2-16]。複回収率は44%で、全く来ないわけではないがうまみもない。

 ラルクは前走の逃げが鮮やかだったし馬を見る限りでは素質が高そうなのだが、牝馬限定の新馬だったうえに当時の2,3,5着馬は2戦目で大敗している(4着馬は2走目を走っていない)。それでいて人気になるなら、押さえまでにしておこうかというのが個人的な考えだ。

 ジュエラーはデビュー戦の差し脚が鮮やかだった。ヴィクトワールピサ産駒で使っての上積みはありそう。ただこちらも、オッズとの相談になる。

 同じ人気馬なら、アストラエンブレムのほうが重賞入着歴があるぶん買いやすい。ルメールとこのコースの相性も抜群だ。ただ、サウジアラビアロイヤルカップ組はその後皆奮わないし、この馬自身は差しに回るので展開は多少心配。単やアタマ付けで勝負というよりは、3着以内にいそうな馬という扱いにしたい。

 同じ重賞好走組ではノーブルマーズのほうが人気がないぶん馬券的魅力はある。前に行ける脚質というのもプラスだ。複穴と呼べるレベルの人気にしかならないならば、買ってみたい。

 唯一の朝日杯組ツーエムレジェンドは、人気薄で6着という前走がぎりぎり微妙なところ。GIで5着以内やここで5番人気になる馬ならかなり期待できるのだが、3着に僅差の6着で今回6〜7番人気あたりというのはなんとも中途半端。ただ、消耗戦になれば出番があると思うし、そういう意味ではラルクよりはアストラエンブレムやジュエラーと組みやすいタイプだと思う。池添騎手と京都芝1600m外回りの相性は抜群なので、個人的になんらかのシルシは回すつもりでいる。

 500万条件組は勝ってきた馬が馬券になることはもちろん、負け組も複穴にはなるので注意が必要。手軽な3連単の狙い方として、フォーメーションの1,2着を堅めに組んで、3着に500万条件の負け組を散らすという手もある。ただ前走1200m組はほとんど走らないので避けておきたい。

 今回唯一の前走500万条件勝ちがレインボーライン。派手さはないが堅実に走る。ただ既に重賞を使って大敗しているぶん、幻想は持ちづらい対象だ。

 500万条件の負け組では前走距離と枠順からキングライオンロジクライが複穴候補になる。脚質を考えるとロジクライにややアドバンテージがあるか。

 未勝利組はグループとしてはおいしい存在ではないものの、1頭挙げるならレオナルド。内枠+先行タイプ+前走距離長めと条件が揃っている。3着候補には検討したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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