4歳クラフトワークは、これまで2〜3走しては調整放牧の繰り返し。今回も4ヶ半ぶりで、このあとも秋の天皇賞を目標に、また調整の休養に入る。前回の休み明けは2月の東京新聞杯。ウインラディウスに負けはしたが、後ろから一気に伸びて上がり33秒3の2着。そのスケールはだれもが認めるところだが、今回も決して万全の仕上がりとはいえず、輸送なしの競馬でも、返し馬などカーッとして入れ込みぎみだった。
それで快勝するのだから、同じ函館記念を制した半兄クラフトマンシップより2ランクは上。使って良化型ではないところが難しいが、秋には連続するビッグレースに続けて出走できるぐらい逞しくなってほしいものだ。本来はタフなファミリーでもある。
ファインモーションは、スタート直後に馬込みから離れて少し外を回り、落ち着かせてから自分のリズムに乗せなければならないあたり、相変わらず難しい一面をのぞかせている。その結果、3歳時はそうではなかったが、レース運びが少し強引というか、荒っぽいスパートになってしまう。安田記念と比べればそれは折り合いもまあまともで、体つきも戻ったが、危なっかしいのは変わらず、秋の路線も難しいだろう。最後は昨年と同じように阪神牝馬S(G2)では、陣営としても物足りないだろうし、かといって男馬相手のG1シリーズでは主役にはなれない気がする。ハンデ差があったとはいえ、今回叩き合っていたのは、1000万条件のワイルドスナイパーだ。
そのワイルドスナイパーは、53キロだったとはいえ、これで函館芝[2-3-1-0]。崩れないから立派。このあとの札幌シリーズでもかなり活躍できるだろう。4着タイガーカフェ、5着ユキノサンロイヤル、さらにダービーレグノ、ヤマノブリザードなどは、またヒマラヤンブルーも、G1級が2分00秒台で乗り切った今年の函館記念向きではなかった。