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新潟日報賞

  • 2004年07月30日(金) 12時50分
 新潟の直線1000mを好時計で乗り切る理想の形(バランス)は、昨年あたりからだいたい判明している。

 ただやみくもに突進してはダメ。古馬のOP級なら、最初の2ハロンを21秒台前半でも行ける(米のロケットマンS・ダート2ハロンは21秒そこそこの決着)が、ムキになって飛ばしてはダメ。3歳未勝利馬でも可能なラップの22秒台ぐらいでなだめて進むのが理想的。そして後半の3ハロンを32秒台前半でまとめると54秒台前半になる。

 53秒7秒のレコードを記録した02年のカルストンライトオが21.8−31.9秒だった。

 この1000mで前半タメると、最後、猛烈に伸びることも判明しつつある。なだめすぎると届かない危険があるから、みんな前半の2ハロンを22秒ぐらいで行くが、昨年のイルバチオは54秒2の記録を22.6−31.6秒でマークしている。

 道中の3ハロンではなく、レースの上がり3ハロン31.6秒は日本記録でもある。

 ヨイチキナコは昨年のこのレースを54秒4で2着。その中身は22.0−32.4秒だった。一昨年は54秒6で3着。22.2−32.4秒のバランスでまとめている。OPだと迫力負けしてしまうが、条件クラスならこの記録で十分。今年も夏場にきて状態は上がっている。54秒台前半で乗り切れそうだ。

 ホワットアリーズンは、もう情けなくなるほど詰めの甘いレースを続けるが、使える鋭い脚は一瞬だけ。そして不器用。この1000mが合っている可能性が高い。母クルーピアレディーは現役時、4.5ハロンのレースに出走して勝ったことがある。ボールドルーラーと、マンノウォー系の出発点のクロスまで持つ母系は、一本調子でもある。中舘騎手は、おそらく新潟1000mがもっとも巧みな騎手。

 さすがに今回は、ホワットアリーズンの真価発揮がありそうだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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