新潟の直線1000mを好時計で乗り切る理想の形(バランス)は、昨年あたりからだいたい判明している。
ただやみくもに突進してはダメ。古馬のOP級なら、最初の2ハロンを21秒台前半でも行ける(米のロケットマンS・ダート2ハロンは21秒そこそこの決着)が、ムキになって飛ばしてはダメ。3歳未勝利馬でも可能なラップの22秒台ぐらいでなだめて進むのが理想的。そして後半の3ハロンを32秒台前半でまとめると54秒台前半になる。
53秒7秒のレコードを記録した02年のカルストンライトオが21.8−31.9秒だった。
この1000mで前半タメると、最後、猛烈に伸びることも判明しつつある。なだめすぎると届かない危険があるから、みんな前半の2ハロンを22秒ぐらいで行くが、昨年のイルバチオは54秒2の記録を22.6−31.6秒でマークしている。
道中の3ハロンではなく、レースの上がり3ハロン31.6秒は日本記録でもある。
ヨイチキナコは昨年のこのレースを54秒4で2着。その中身は22.0−32.4秒だった。一昨年は54秒6で3着。22.2−32.4秒のバランスでまとめている。OPだと迫力負けしてしまうが、条件クラスならこの記録で十分。今年も夏場にきて状態は上がっている。54秒台前半で乗り切れそうだ。
ホワットアリーズンは、もう情けなくなるほど詰めの甘いレースを続けるが、使える鋭い脚は一瞬だけ。そして不器用。この1000mが合っている可能性が高い。母クルーピアレディーは現役時、4.5ハロンのレースに出走して勝ったことがある。ボールドルーラーと、マンノウォー系の出発点のクロスまで持つ母系は、一本調子でもある。中舘騎手は、おそらく新潟1000mがもっとも巧みな騎手。
さすがに今回は、ホワットアリーズンの真価発揮がありそうだ。