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人気2頭大崩れのレースとその勝ち馬(須田鷹雄)

  • 2016年02月16日(火) 18時00分


◆こういう番狂わせレースの勝ち馬はその後期待できるのか

 共同通信杯は、1番人気のハートレーが9着、2番人気のスマートオーディンが6着という衝撃的な結果となった。内ラチ沿い有利、逃げ先行有利の極端な馬場ではあったが、それにしても負けすぎという印象だ。

 人気2頭がともに掲示板外まで飛んだ2、3歳重賞というのはどれくらいあるものか、95年以降(本世代より年長の10世代がすべてカバーされる)について調べてみた。

 結論は32レースだった。そのうちGIが8レース、春クラシック終了後のレース(ユニコーンS、ラジオNIKKEI賞など)が5レースで、「春クラシック以前」となると19レース。2歳戦が4レース、3歳戦が15レースとなっている。

 気になるのは、こういう番狂わせレースの勝ち馬はその後期待できるのか、逆に大敗した人気馬の巻き返しはあるのか、ということだ。

 人気馬の大敗と入れ代わりに勝利を収めた馬について言うと、3頭が後のGI馬になっている。キャプテントゥーレ、ジョーカプチーノ、メイショウマンボの3頭だが、このうち最も人気がなかったファルコンSのジョーカプチーノでも4番人気・9.4倍。6番人気・22.6倍で勝ったディーマジェスティが後のGI馬になったら、かなり珍しいケースとなる。

 人気で掲示板外に飛んだ側からも、後のGI馬が3頭出ている。フェノーメノ、キンシャサノキセキ、ヴァーミリアンだ。ただ、この3頭はいずれも古馬になってからのGI制覇。フェノーメノのきわどいダービー2着はあるものの、3歳GIの勝ち馬はいない。

「人気2頭で飛んだ」という形にこだわらず、単に1〜2番人気で6着以下だった馬ということではどうか。

 重賞で1〜2番人気になりつつ6着以下になり、しかしその後3歳春のGIを勝った馬にはオルフェーヴル、チアズグレイス、サニーブライアン、ナリタブライアン、アドラーブル、メリーナイスなどがいる。ただ、うち4頭は2歳時の敗戦であって、3歳になってから条件を満たす大敗を喫していたのはチアズグレイスとメリーナイスだけだ。

 30年近く遡ってもこのくらいしか例が出ていないということは、そこから巻き返して3歳春のうちに天下を取るのはかなり難しいということを示唆する。古馬になってから頂点に立つことはありうるが、それだとPOGとは関係ないのがつらいところである。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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