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評判と結果の相関性(須田鷹雄)

  • 2015年12月01日(火) 18時00分


◆重要なのはなぜそのような差が生じるのか考えること

 今年のPOGで注目されていた1頭、netkeiba POGでも指名数2位のフォイヤーヴェルクがデビューし、13着に敗れた。

 同馬についてドラフト時にはやたらとヒートアップした評判が飛び交っていた記憶がある。それだけに失望した人も多いだろうし、失望ゆえに暴走してネットやらなんやらで暴れてしまう人もいるようだ。

 しかし、走ると思った馬が走らないとか、さほど期待されていた馬が走ったとか、そんなケースはいくらでもある。

 ディープインパクトなどはフォイヤーヴェルクと逆パターンで、育成段階での評判がもの凄かったわけではなく、トレセンに行ってから神話になったというギャップがある(テレビなどでは、育成時代から凄かったということにされがちだが)。当時の赤本で私は全兄ブラックタイドと比較して、「高島政宏と高島政伸くらいタイプが違う。政伸のほうが稼いだりはしそうだが」などと暢気な原稿を書いていた。

 レベルは違うが、先日引退したカレンブラックヒルもそれほど期待は大きくなかった馬で、飛節に疲れがでて早期デビューを断念したときには「あ〜あ」という雰囲気だった。それが年明けデビューから3歳春GIを勝つのだから、競馬は面白い。ちなみにNHKマイルCのあとに育成厩舎の皆さんと千歳で飲み会をやったときも、「まさかあの馬がGIを勝つとは……」という話に終始したものである。

 一方で、育成段階の評判が高く、競馬に行って走らない馬というのはゴマンといる。どちらの形であっても重要なのは、なぜそのような差が生じるのか考えることだ。

 赤本では以前、「なぜ馬は期待通りに走らないのか」という特集をやったことがある。そのときに一番大きな要素だと思ったものを3つ挙げると「育成段階とレース段階で要求されるものの違い」「メンタル」「マスコミの盛り上げすぎ」だ。

 実際のところ評判と結果が100%相関することはありえないわけで、そう考えるとどんなに良いと思った馬でも、無邪気に持ち上げまくるようではいけないのだろう(それが3番目の要因に繋がる)。一方で、相関性を高めるためには過去の敗因(フォイヤーヴェルクはまだ現役なので、同馬のことを言っているわけではない。念のため)をしっかり振り返っておく必要がある。POG本は煽ってナンボと思われがちだが、赤本は地味で真面目な作業を、たとえ誌面に出ない形でも行っていくつもりだ。

 これはセリと競馬の関係においても言えることで、当たったハズれただけをやっていては、また同じことを繰り返す結果になる。派手な成功を収めている馬主さんこそ、裏で失敗した購買をしっかり振り返っているのだと思う。「紙の馬主」であっても、同じように精進したいものである。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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