発表されたマイナス22キロは牝馬だけにびっくりさせられたが、アンブロワーズは前日の7日にも44.0−12.5秒の時計を出してのもの。カイ食いが悪いわけでもなく、またイレ込んだりしているわけではなく、初戦が余裕残しだっただけなのだろう。
好スタートのリッカバクシンオを二の足をつけて追走、カシマフラワー、3角すぎからは人気のディープサマーにも外から併せられる形になったが、追い比べで抜け出したのだから立派だ。
直線、正面からのパトロールフィルムを見ると、外によれカシマフラワーに不利を与えているが、きわめて勝負強い内容だった。例によって、明らかに外枠の馬有利のコンディションになっていた中、外からきた2頭に競り勝ったのは立派だ。
ディープサマーは前半は無理せず、3角すぎから外を回って進出。外から力強く伸びたが、最後の1ハロンも12秒3とラップが落ちず、アンブロワーズの粘り強さに屈した形だった。内からよれたアンブロワーズは、カシマフラワーには大きな不利を与えているが、ディープサマーは不利は受けていない。
母方には距離OKのスタミナと底力が流れる馬だけに、真価発揮はマイル戦ぐらいになってから、ともいえる。
中団でもまれてしまったオーヴェールは、最後は外から力強く伸びている。こちらも1200m向きとはいえず、もう少し距離がのびてからだろう。前走のラベンダー賞と同様に、素質のあるところは十分に示した。
スキップジャックは中団の外。うまくタメが利いたように見えたが、伸び脚不発。この馬、3戦してすべて1分11秒0〜4。着順は別に、同じ時計でしか乗り切っていないあたりが物足りない。2番人気のグランプリペガサスは、今回はもまれてしまった。