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函館2歳S

  • 2004年08月09日(月) 12時55分
 発表されたマイナス22キロは牝馬だけにびっくりさせられたが、アンブロワーズは前日の7日にも44.0−12.5秒の時計を出してのもの。カイ食いが悪いわけでもなく、またイレ込んだりしているわけではなく、初戦が余裕残しだっただけなのだろう。

 好スタートのリッカバクシンオを二の足をつけて追走、カシマフラワー、3角すぎからは人気のディープサマーにも外から併せられる形になったが、追い比べで抜け出したのだから立派だ。

 直線、正面からのパトロールフィルムを見ると、外によれカシマフラワーに不利を与えているが、きわめて勝負強い内容だった。例によって、明らかに外枠の馬有利のコンディションになっていた中、外からきた2頭に競り勝ったのは立派だ。

 ディープサマーは前半は無理せず、3角すぎから外を回って進出。外から力強く伸びたが、最後の1ハロンも12秒3とラップが落ちず、アンブロワーズの粘り強さに屈した形だった。内からよれたアンブロワーズは、カシマフラワーには大きな不利を与えているが、ディープサマーは不利は受けていない。

 母方には距離OKのスタミナと底力が流れる馬だけに、真価発揮はマイル戦ぐらいになってから、ともいえる。

 中団でもまれてしまったオーヴェールは、最後は外から力強く伸びている。こちらも1200m向きとはいえず、もう少し距離がのびてからだろう。前走のラベンダー賞と同様に、素質のあるところは十分に示した。

 スキップジャックは中団の外。うまくタメが利いたように見えたが、伸び脚不発。この馬、3戦してすべて1分11秒0〜4。着順は別に、同じ時計でしか乗り切っていないあたりが物足りない。2番人気のグランプリペガサスは、今回はもまれてしまった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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