昨年の勝ち馬オースミハルカの逃げに伏兵が早めに絡んで行くかと思えたが、今年も前半1000m通過60.0秒の平均ペース。後半を47.5−35.6秒でまとめ、再び鮮やかな逃げ切りを決めてみせた。
軽量の3歳勢が意外に動けず、中団にタメたヤマニンシュクルが3着には押し上げたものの、差のある3着止まり。秋のビッグレースを展望するとき、昨年より少しパワーアップしたオースミハルカは逃げ馬としてレースを盛り上げてくれそうだが、3歳馬、チアズメッセージ以下の古馬陣も、ちょっと物足りない印象を受けた。ローカル重賞というより、秋に向けての始動がこのクイーンSの色彩になっただけに、少なくとも大きくパワーアップの馬は少なかったというべきか。
中で、2着に突っ込んだ5歳エルノヴァは立派。強い相手と対戦したことはあるとはいえ、前走1000万特別を勝ったばかり。一気に相手強化の中、3〜4角で馬群をこじあけるように進出、最後まで力強く伸びた。最後はオースミハルカを首差まで追い詰めて上がり34.8秒。中身はNo.1ともいえる。
ここまで大事に育ててきたが、1000万を勝ったばかりで重賞に挑戦したのも納得。母方はジェネラス、オースミタイクーン、さらにはトリプティクなどのいる名門ファミリー。
ひょっとすると、この勢いに乗り大仕事をするかもしれない。今回の好走は、ホワイト騎手の強気な騎乗によるところだけではないだろう。ニシノムーンライトは先行してあと一歩伸びを欠いたが、また秋口にきて状態は上がっている。