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クイーンS

  • 2004年08月16日(月) 12時58分
 昨年の勝ち馬オースミハルカの逃げに伏兵が早めに絡んで行くかと思えたが、今年も前半1000m通過60.0秒の平均ペース。後半を47.5−35.6秒でまとめ、再び鮮やかな逃げ切りを決めてみせた。

 軽量の3歳勢が意外に動けず、中団にタメたヤマニンシュクルが3着には押し上げたものの、差のある3着止まり。秋のビッグレースを展望するとき、昨年より少しパワーアップしたオースミハルカは逃げ馬としてレースを盛り上げてくれそうだが、3歳馬、チアズメッセージ以下の古馬陣も、ちょっと物足りない印象を受けた。ローカル重賞というより、秋に向けての始動がこのクイーンSの色彩になっただけに、少なくとも大きくパワーアップの馬は少なかったというべきか。

 中で、2着に突っ込んだ5歳エルノヴァは立派。強い相手と対戦したことはあるとはいえ、前走1000万特別を勝ったばかり。一気に相手強化の中、3〜4角で馬群をこじあけるように進出、最後まで力強く伸びた。最後はオースミハルカを首差まで追い詰めて上がり34.8秒。中身はNo.1ともいえる。

 ここまで大事に育ててきたが、1000万を勝ったばかりで重賞に挑戦したのも納得。母方はジェネラス、オースミタイクーン、さらにはトリプティクなどのいる名門ファミリー。

 ひょっとすると、この勢いに乗り大仕事をするかもしれない。今回の好走は、ホワイト騎手の強気な騎乗によるところだけではないだろう。ニシノムーンライトは先行してあと一歩伸びを欠いたが、また秋口にきて状態は上がっている。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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