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新潟記念

  • 2004年08月30日(月) 13時03分
 6歳スーパージーンの重賞初制覇は見事だった。少しスブい印象さえ与えた馬で、6勝までは2500mを中心に、すべて2000m以上での勝ち星。この夏、1800m(福島)で勝った時も、小回りコースを意識した中舘騎手と陣営の先行作戦だったが、それによって早め早めに動ける自在性を身につけてしまった。

 再三の脚部難に泣き、とくに5歳春からの1年間は屈腱炎の診断で長期休養となり、特殊な蹄鉄で脚部にかかる負担を軽減する手段をとっている馬だが、この夏の本格化は、もともと奥手型の背景をもつ馬とはいえ、賞賛に値する。

 サッカーボーイ産駒は、関屋記念を制したブルーイレヴン、間もなく復活予定のあるヒシミラクル・・・など、ここ1〜2年、再ブレイクの形だが、このスーパージーンの場合、その父パーシャンボーイ(宝塚記念馬、ボールドラッドIREの父系)も貴重なら、祖母の父はファインポート(トウショウボーイ、テンポイント、グリーングラス時代の公営の大物)。決して主流ではないが、活力と底力を伝える血を引いているところも大きな魅力だろう。脚元と相談しながらになるだろうが、ローカル重賞とはいえ1分57秒7で2000mを乗り切ったのだから、秋の天皇賞に出走させたい伏兵だ。重馬場になってくれたりすると好走の可能性がある。

 レニングラードは敗れたとはいえ、休養明けを快走のあと、あまり経験のない高速レースで自身1分57秒9。下げて芝のいい外に出す道中のロスもあり、これは仕方がない。期待通りの復活を果たしたといっていいだろう。外に出してからは上がり33秒6。スケールは十分に示している。

 トーセンダンディは59.1−58.6秒の流れにうまく乗り、やっと能力を出し切れたが、あと一歩の伸びがなかった。こなせそうだが、やはり2000mよりは、1600〜1800m向きなのだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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