注目のコスモバルクが2200mを2分10秒1の日本レコードで乗り切ってみせた。期待通りの快勝で、キングカメハメハの出走しない菊花賞では待望のクラシックに手が届く可能性が大きくなったといっていいだろう。
ただ、コスモバルクの残したレースの中身(ラップ)を確認すると、この馬、スピードがありすぎる点がまず気になってくる。というのは、かかり気味になったので途中からハナを切る形になった2200mでの、1ハロンごとのラップを順に並べてみると、12.2-11.2-11.6-11.9-11.9-11.9-12.0-12.0-11.9-11.5-12.0となる。
スタート直後は別として、自分のペースに持ち込んだところから、コスモバルクはハロン(11.9〜12.0秒)のラップを実に7回も踏んでいる。だから日本レコードの高速記録が生まれたわけだが、自分でハナを切り、気分良くマイペース(つまり折り合っている)状態でも、ことごとく200mを12.0秒以内で走ってしまっている。
菊花賞で良くあるパターンとしては、61.0-64.0-61.0秒のような、中盤に息を入れ、13秒台のラップに落とすスタミナ温存の形。コスモバルクはスピードが勝ちすぎているだけに、ちょっとでも行く気にはやると、連続して13秒台のラップで我慢できるだろうか。その心配が大きくなってきた。
自分でハナを切って折り合っても、ペースを落とせないスピード能力を持っている。これを馬群の中に入れてなだめながら先行するのは、大変なことだろう。
コスモバルクの2分10秒1が光るとき、ホオキパウェーブの中身(一完歩ごとに追い詰めてきた)もすごい。こちらは折り合いに不安がない。キングカメハメハと同じオーナーだが、菊花賞に備え、早くも藤田伸二騎手を確保した形になったのも大きい。本番ではコスモバルクと互角以上の評価だろう。