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神戸新聞杯

  • 2004年09月27日(月) 12時23分
 キングカメハメハがごく順当に、期待通りに天皇賞・秋、ジャパンC路線に向けてスタートした。同じ3歳馬同士で、ベストの距離2000mでは勝って当然。またランクの異なる勝ちっぷりだったが、その中身を振り返るとズバ抜けた能力が浮き彫りになる。

 伏兵グレイトジャーニー(小牧太騎手)の作ったペースは、前後半61秒2-57秒8。超スローにも近かった。これを向正面の中間地点では、キングカメハメハはゆったり後方に控え、どうみても10馬身以上は先頭から離れていた。仮に10馬身(約1.5秒)としても、キングカメハメハの2000m・1分59秒0は、自身62秒7-56秒3になる。

 レースの後半は全て11秒台だったが、キングカメハメハの56秒3(実際はもっと速いだろう)には、ハロン10秒台の記録が(レースラップとの比較で)3回は含まれていたと考えていい。驚くべきスピード能力だ。

 今回は、直前の追い切りでようやく仕上がったが、その前2週はダイワエルシエーロに大きく見劣ったぐらいで、明らかに仕上がり一歩。日本ダービーと比べ+8キロの502キロの馬体重は、体型が大きく変化したため、むしろ変にスマートに見せるほどで、明らかに9分の仕上がりだった。これにボリュームを感じさせるムードが戻ってくれば、天皇賞・秋の断然の最有力馬になるだろう。

 ハーツクライは、このキングカメハメハを見る形で、菊花賞を展望したステップレース。スケールの違いで離され、早めに動いたケイアイガードを捕まえきれなかった点は不満だが、こちらは新馬戦と同じで、ポン駆けしないタイプ。春も使いつつ良化型だった。菊花賞に向けての展望は広がった。

 オールカマーの3歳馬は、期待を裏切る秋の出発だった。ダイワメジャーは、精神の危なさが解消せず、7〜8分の状態。ハイアーゲームは、右回りうんぬんではなく、脚部の状態あと一歩だろう。小ぢんまりしていた。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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