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6歳にして旬バーディーが一発/トレセン発秘話

  • 2016年07月08日(金) 18時00分


◆国枝調教師「ウチの6歳馬だってまだこれからって可能性があるよな」

「内心、不安はあったんですが、まさか除外の1番手とは…。これ何とかならないですかね?」

 週明け5日の美浦でアロマカフェを担当するウメチャンこと梅津洋介キュウ務員が当方に泣きついてきた。同馬は今週のGIII七夕賞(フルゲート16頭)に登録する18頭中、出走馬決定賞金17番目。宴会野郎の微力でどうにかなるならしてあげたいが、まあ現状は回避馬が出るのを待つのみである。

「すでに9歳の高齢でも馬だけ見たらホント元気いっぱいですよ。久しぶりに重賞を走らせてあげたいんですけどね」

 ウメチャンが語る通り、昨秋アンドロメダS(京都芝内2000メートル)で今回人気のアルバートドックと同斤で0秒2差の接戦をしたのがこのアロマカフェ。それを思えば、ここはハンデほど開きのない拮抗した組み合わせ。何しろ7歳以上の高齢馬が10頭も登録する“シルバー”重賞なのだ。

「高齢馬が多いのはローカルならではだけど、馬の消耗が少ないのは昔に比べて調教技術、調教施設がそれだけ進歩したってことだろ? そう考えたら、ウチの6歳馬だってまだこれからって可能性があるよな」

 一方でこう語ったのはバーディーイーグルの国枝栄調教師。同馬は今年2月まで迷うことなくダート路線で走ってきたが、完全な頭打ち状態に。そこで目先を変えて芝を使ってみたところ4、3、1着。芝路線で完全に再生した珍しいタイプの“ダート馬”だ。その背景をキュウ舎の番頭格・佐藤勝美助手は次のように明かしている。

「確かに芝もフィットしたけど、馬自身も確実に変わってきたんだと思うよ。以前はヒザや球節が本当に弱くて、走り方からしてデタラメだった。よくこれで競馬で走ってくるなと感じたほど。でも、ちょうどこの春先から馬がしっかりして、稽古でも楽に動くようになってきた。その部分も大きいと思うんだ」

 競馬において大器晩成はもはや死語――長らくそう思い込んできた宴会野郎ではあるが…。これだけ高齢まで活躍する馬がいれば6歳にして旬を迎える馬がいても不思議はない。今週の福島メーンはここに入れば“まだまだ若い”軽ハンデ馬に注目だ。
 (美浦の宴会野郎・山村隆司)

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