デビュー戦で楽々と1分21秒8の好時計(上がり34秒1)を記録していたラインクラフトが、危なげないレース運びで2連勝。早くも12月のG1だけでなく、来季のクラシックを展望できる位置についた。同じエンドスウィープ産駒の昨年のスイープトウショウ、一昨年のピースオブワールドなどと、少なくとも互角以上の能力がありそうだ。
母マストビーラヴド(父サンデーサイレンス)は3戦未勝利だが、今秋の富士Sを制し、11月21日のマイルCSでも注目を集めそうなアドマイヤマックスの全姉になり、祖母はダイナシュート(七夕賞など重賞3勝)。3代母はシャダイマイン。
大きく繁栄するファンシミンの一族で、決して早熟ではない。抜け出した後の最後の1ハロンも、福永祐一騎手が少し抑えつつ11秒5。だから、楽々と2着以下に4馬身もの差が付いたのであり、包まれて置かれる形になったとしても、追って切れる馬だろう。
エンドスウィープは最初、ダートの短距離向きの馬を多く送ると見られていたが、スイープトウショウ、フォーカルポイント、そしてこのラインクラフト。予想されていたより遥かに産駒は多様。ミスプロ系の中でも、もっとも広がりの幅が大きいフォーティナイナー産駒。残る世代はサンデーと同じで少ないが、まだまだ活躍馬を送りそうだ。後継の芦毛の種牡馬スウェプトオーヴァーボードの評価も一段と高まることになる。
2着のモンローブロンドは、一度下がってしまった(ハミが抜けた)が、盛り返して2着なら評価は下がらない。ライラプスは1600mの後だけに、前半から流れに乗れなかったが、突っ込んだ3着リヴァプールまで、上位勢のレベルは高い。特にリヴァプールは、こういう1400m向きではないだろう。早めにマイル以上にマトを絞りたい気がする。