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ファンタジーS

  • 2004年11月08日(月) 13時01分
 デビュー戦で楽々と1分21秒8の好時計(上がり34秒1)を記録していたラインクラフトが、危なげないレース運びで2連勝。早くも12月のG1だけでなく、来季のクラシックを展望できる位置についた。同じエンドスウィープ産駒の昨年のスイープトウショウ、一昨年のピースオブワールドなどと、少なくとも互角以上の能力がありそうだ。

 母マストビーラヴド(父サンデーサイレンス)は3戦未勝利だが、今秋の富士Sを制し、11月21日のマイルCSでも注目を集めそうなアドマイヤマックスの全姉になり、祖母はダイナシュート(七夕賞など重賞3勝)。3代母はシャダイマイン。

 大きく繁栄するファンシミンの一族で、決して早熟ではない。抜け出した後の最後の1ハロンも、福永祐一騎手が少し抑えつつ11秒5。だから、楽々と2着以下に4馬身もの差が付いたのであり、包まれて置かれる形になったとしても、追って切れる馬だろう。

 エンドスウィープは最初、ダートの短距離向きの馬を多く送ると見られていたが、スイープトウショウ、フォーカルポイント、そしてこのラインクラフト。予想されていたより遥かに産駒は多様。ミスプロ系の中でも、もっとも広がりの幅が大きいフォーティナイナー産駒。残る世代はサンデーと同じで少ないが、まだまだ活躍馬を送りそうだ。後継の芦毛の種牡馬スウェプトオーヴァーボードの評価も一段と高まることになる。

 2着のモンローブロンドは、一度下がってしまった(ハミが抜けた)が、盛り返して2着なら評価は下がらない。ライラプスは1600mの後だけに、前半から流れに乗れなかったが、突っ込んだ3着リヴァプールまで、上位勢のレベルは高い。特にリヴァプールは、こういう1400m向きではないだろう。早めにマイル以上にマトを絞りたい気がする。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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