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マイルCS

  • 2004年11月22日(月) 12時59分
 5歳デュランダル(サンデーサイレンス×ノーザンテースト)の昨年以上の圧勝だった。勝ち時計は昨年が1分33秒3で、今年が1分33秒0。ほとんど同じで、デュランダル自身の後半3ハロンは、昨年が33秒5で、今年が33秒7。こちらもほとんど同じ。デュランダルは、昨年とほとんど同じ様なレースを再現したのだが、今年の方がずっと危なげなく強さが光った。

 昨年はタテ長になって、レースの流れは(46秒0-47秒3)。一方、今年は一団に近く(46秒6-46秒4)。デュランダルにとっては同じ後方追走でも、すっと楽な追走だった事になり、追いついて届いた昨年と違い、今年はなだめて進んで、まとめて差し切った形だった。

 昨年のスプリンターズSも制しているのだから当たり前だが、歴代のマイルCSの勝ち馬の中では「短距離色」が濃い。来年は、2000mの天皇賞・秋も展望したいというが、とりあえずは未経験の東京、安田記念だろう。その内容によって、距離の幅が見えてくる。

 3歳牝馬ダンスインザムードには、外枠は不利かとも思えたが、無理のない平均ペース(46秒6-46秒4)の流れで、こちらも追走が負担にならなかった。また、今回は関西への遠征でもイレ込みが少なく、馬体減も少なかった。3歳牝馬とすれば、タフという面でも立派。今年もう8戦目になったが、香港マイル(12月12日)に遠征の予定もある。好調時に続けて…というのは牝馬だからこその手法で、対照的だったのが5歳ファインモーション。決して体調は悪くなかったが、牝馬を目標のレースに向け何度もピーク状態に持っていくのは、あまりにも難しいことだった。

 アドマイヤマックスは6着。もう少し動けると考えていたが、この流れなら好位から下げず、安田記念(03年)の様に早めにスパートする形の方が良かったかもしれない。テレグノシス、バランスオブゲームは紛れのないレースの流れの中、持てる力は出し切っている。さすがにもう、能力アップはなかった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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