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ジャパンC

  • 2004年11月29日(月) 13時13分
 スローペースになる公算大と考えていたが、流れはスローペースにはならなかった。マグナーテンの作った流れは前半1000m通過59.6秒、中間の1200mが1分11秒4、後半の1200mが1分12秒8、コスモバルク以下は少し離れて追走したから、勝ったゼンノロブロイには絶好の平均ペースだった。

 無理のない流れの中、コスモバルクが前にいるだけで、他の有力馬はみんなゼンノロブロイより後方。3角からラップの落ちた流れもロブロイに味方し、4角手前ではもう抜け出すタイミングを計るだけ。崩れない強みがフルに活きた。

 天皇賞時より落ち着き払った気配も良く、勝ちっぷりも一枚上。これなら有馬記念に向けて反動や消耗の心配もない。

 コスモバルクは離れた2番手で、横に他馬のいない理想の展開。この形なら五十嵐騎手でも十分に折り合えたと思えるが、ルメールもさすがだった。厳しいレースの連続で有馬記念に活力が残っているか、こちらは少し心配だが、ルメールでジャパンCを勝つより、五十嵐冬樹とのコンビで有馬記念の方が絵になる。そういうタイプにすでに育ってしまっている。

 デルタブルースは本当はもう少し早めに動きたかったのだろうが、それでも菊花賞時よりシャープになっている。こちらも有馬記念タイプだろう。確実に力量アップしている。

 期待したハイアーゲームも、ハーツクライ、ホオキパウェーブは動けなかった。ハイアーゲームは出遅れた上、ずっとインコースを通ったが、この馬、ストライドが不安定なので外に出さないと持ち味が活きない。これはミルコに伝えるべきだったのだろう。

 菊花賞の時にも感じたが、今年の3歳馬、ダービーで快時計で上位に好走した馬ほどその後が良くない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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