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阪神JF

  • 2004年12月06日(月) 13時20分
 この世代の牝馬路線が一気に面白くなった。断然人気のラインクラフトが道中ちょっとモタつき、大接戦を外に回ったロスもあって小差3着。取りこぼした印象もあったが、キャリアの浅い2歳牝馬で、成長過程も各馬ともにさまざま。少なくとも大きくリードの存在ではないことになり、キャリア1戦のハギノコマチ(12番人気)が小差4着。候補が大きく広がった。

 ただ、このG1。47秒6=47秒6で1分35秒2。あまりに前半がスローすぎ、といって後半が速いわけでもなく、上がり35秒8-12秒5。記録はおそまつだった。凡ペースで各馬ともに掛かるのをなだめて進むうちに、レースが壊れてしまった印象もある。

 この日、4Rの未勝利戦でさえ1600m1分35秒4。古馬1000万の1400mが1分21秒4。2000mが2分00秒3だから、このG1だけが異様に時計が遅すぎることになる。変な流れのレースで、不思議な勝ち時計の決着だったことが示されている。導き出された結果は素直に受け入れる一方で、47秒6-47秒6で1分35秒2なら、どんな馬でも、未勝利馬でも、乗り切れたレース内容であることは、後のレース検討の際に絶えず忘れないでおきたい。

 ショウナンパントルは、牡馬相手のデイリー杯2歳Sで1分34秒5の小差5着。早くも2度目の関西遠征になったが、強気により強い相手を求めたローテーションが大きくプラスとなった。これで、桜花賞に対する展望は大きく広がった。充電し、どこをステップに選んでも良く、直前のチューリップ賞などに遠征する必要が無くなった利がある。この1勝は大きい。

 休み明け、初距離を克服した同じアンブロワーズも立派。こちらもパントル同様、桜に向けてのステップが自由自在になった。

 人気で凡走の形になった馬は多いが、繰り返すようだが、みんななだめて進み過ぎ、この勝ち時計で、上がり35秒8-12秒5。レースが壊れている。負けたグループの評価は下がらない。桜路線が楽しくなった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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