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追い込み策に徹した馬が届いて不思議ない/フェアリーS

  • 2017年01月07日(土) 18時00分


不利な大外枠も、直線の強襲に賭ける手がある

 ここ3戦連続して惜しい2着にとどまるキャスパリーグ(父ディープインパクト)が、中山1600mでは明らかに不利な大外16番枠を引いてしまった。それでなくともあと一歩の詰めを欠くだけに、人気急落だろう。

 だが、災い転じて福となすの格言もある。外の不利を最小限にとどめるために好スタートから、いつも以上に前に行く策も、ペースの落ち着いたあたりで少しずつ進出する手もあるが、それでは懸念の詰めの甘さがより大きくなる危険大。現状打開につながるとは思えない。

 ここ3戦とは違って距離は1600mに延びる。敢えて最初から控える策をとり、直線の強襲に賭ける手がある。幸い、中山の馬場は高速ではない。例年あまりペースは上がらず、スローになることが多いくらいだが、それでもレースの上がりは「35秒台」がパターン。なまじ道中で脚を使うより、追い込みに徹してこそ、活路が開けると同時に、課題の詰めの甘さ解消につながる可能性がある。

 小柄だが、ストームキャット牝馬にディープインパクトの配合は、非力なスピードにとどまらずパンチも底力も秘めていることが多い。

 このレースは1月の中山に移って過去8年、うち7年まで10番人気以下の伏兵が3着以内(6回まで連対)に入っている波乱のレース。怪しい馬ばかりで、なおかつ緩い流れになるから、桜花賞の路線でありながら、桜花賞には(まったくと言っていいほど)関係しないことになっている。波乱の主役は、いかにも失速しそうな先行馬の粘り込みだが、上がりが35秒台になるのだから、なまじ道中で脚を使わず思い切って追い込み策に徹した馬が届いて不思議ないレースでもある。

 先行馬の粘り込みでは、穴馬はブラックオニキスか。札幌2歳Sの2着の中身は、この相手なら一枚上のランクになる。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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