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京成杯

  • 2005年01月17日(月) 13時51分
 最近では珍しい極悪の不良馬場のため、スピードや切れ味を問われるレースではなく、底力と勝負根性が問われる一戦だったろう。どの馬も最後はドロだらけ。スムーズなストライドを保てた馬はなく、のめったり滑ったりしていなかった馬はいない。みんなに大きな不利があったと考えていい。

 勝ったアドマイヤジャパンは、スタート次第では(母と同様に)先行するかとも思えたが、例によってあおり気味。最初からドロをかぶる位置になってしまった。前走見せた上がり33.5秒の切れが活かせる馬場ではなく、4角手前では気合を入れるためのムチが飛んだが、最後までしっかり伸びた。モタモタしながらも力でねじ伏せたあたり、期待以上の底力を秘めていたといえるだろう。今回は取り消してしまったが、ファミリーはニューヨークカフェ(マンハッタンカフェの全弟)と同じ。レースを使いながら、さらには距離が延びての成長力にも注目していい。

 シックスセンスも最後は外から伸び、勝負根性で2着した形だった。決して重巧者ではないだろう。この2頭が1〜2着したことにより、ラジオたんぱ杯2歳S組(この2頭は3〜4着)は強気になれる。12月の時点では、たんぱ杯のレベルはあまり高くはない気もしていたが、決してそうではなかった。
 注目のモエレアドミラルは直線の坂までは争覇圏。最後に失速してしまった。初めての芝がこの不良では確かにかわいそうだが、のめったり滑ったりしたのは他馬も同じ。最後の止まり方が急だった。2戦目の再評価を弥生賞かスプリングSで問われることになるが、コスモバルクと比べると、勝負強さの面で一枚も二枚も落ちる印象を受けた。

 イブキレボルシオンは、重巧者だった母よりもっと大跳び。最後方に置かれたのは痛く、こちらももう一度トップクラスと対戦してから再評価の必要がある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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