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距離1400mがベストに近い/京王杯スプリングC

  • 2017年05月12日(金) 18時00分


◆馬場状態に注意したい

 ストックブックを見たら、スピード重賞の京王杯スプリングCが重馬場や、不良馬場で行われたことはもう20数年以上もなかった。2013年に雨のヤヤ重(時計は1分20秒6)、2006年に同じく雨のヤヤ重(勝ち時計は1分21秒8)があるだけである。

 天気予報通りだと、今年は珍しく渋馬場「ヤヤ重〜重馬場」になる可能性がある。1分20秒を突破する速いタイムや、近年は1400mでもスローが多いから上がり32秒台の爆発力で決着してきたが、久しぶりに1分21秒台(上がり34秒台)くらいの勝負になる可能性(多くの馬には危険性)もある。

 迫力のストライドで昨年は「上がり32秒4」の爆発力を示し、1分19秒6のタイレコードで快勝した人気の6歳サトノアラジン(父ディープインパクト)は、530キロ前後の馬体から繰り出す大跳びのフットワークが持ち味。

 滑る馬場を気にするようだと、昨年のような究極の爆発力に多少なりとも影響が生じるかもしれない。早めに動くと意外に良くなく、追い込みタイプだがスローの方がずっと切れ味の真価が生きるタイプでもある。

 サトノアラジンと同じように距離1400mがベストに近いグランシルク(父ステイゴールド)から入る。中山の1600m【2-3-2-2】ならOKだが、東京1600m【0-0-1-3】は速い脚がそう長続きしないこともあって良績のない馬だが、東京でも1400mなら【2-0-0-0】。勝ちタイムの1分20秒6と、1分21秒9は平凡でも、上がりは「32秒9と、33秒2」という記録がある。

 サトノアラジンのスケールと迫力には及ばないが、どこからでもスパート可能な自在性では互角以上である。重馬場の経験はないが、ヤヤ重馬場は「2着(0秒1差)、7着(0秒3差)、3着(0秒1差)」の星があり、渋馬場は得意にすることが珍しくないステイゴールド産駒。人気のサトノアラジンよりはマイナスは少ないはずである。デキは素晴らしくいい。わずか1キロ差とはいえ、負担重量56キロの利もある。

 渋馬場は苦にせず2戦2勝のダッシングブレイズと、脚さばきから重巧者の可能性もあるキャンベルジュニア、そして切る手はないサトノアラジンの3頭が相手本線。ヒルノデイバローロサギガンティアトーセンデュークが押さえ。

 東京の渋馬場は、とくに乾き始めなどかえって内有利なことが多い。今週から「Bコース」。馬場状態に注意したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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