◆母方が日本を代表するダート巧者の一族 オープンから降格に相当する4歳馬は2頭だけ。上昇カーブに乗る馬が少ない組み合わせなので、
エネスク、
コスモカナディアンの評価は大きく下げられない。
エネスクの父はフランス産のベーカバド(10歳、その父ケープクロス。母の父クリス)。ベーカバドは、C.ルメール騎手を主戦ジョッキーとして、ニエル賞1着、パリ大賞(このときはG.モッセ)1着、ワークフォースの勝った凱旋門賞4着、米BCターフ3着など【6-1-2-2】。
芝コース専門だったが、ここまでの産駒は公営の地域重賞勝ち馬、交流重賞の2着、3着馬など、大半がダートでの活躍馬ばかり。芝では1000万下の勝ち馬を送るにとどまっている。
まだ4歳世代が初年度産駒なので軽々しいことはいえないが、欧州血脈の濃い種牡馬だけに芝の上級クラスではスピードもう一歩なのだろう。ダート巧者というわけではないように思える。
エネスクは、しかし、母方が日本を代表するダート巧者の一族。祖母は女傑ロジータ(父ミルジョージ)。カネツフルーヴ、レギュラーメンバーの牝系である。
エネスクはここまでダート専門に【4-2-1-9】。前回のブリリアントSはミツバの6着(1秒1差)にとどまったが、1000万→1600万を連勝して格上がりの初のオープン特別。距離2100mも初めてだった。
前半1000m通過60秒7-(6秒7)-後半62秒9の速めの厳しい流れを好位での追走になったところに、後続の差し馬が4コーナーを回って一気に殺到したから、飲み込まれての1秒1差は初の古馬オープンとすれば善戦好走に近い。4着ラニとは0秒2差だった。
今度はクラスが下がって、得意の右回り。全連対6回が1600-1800mなので距離もベストに近い。自在の先行力が生きる。好調
クインズサターン、復調気配の
クロフネビームス、降格のコスモカナディアン、福島向きの
クラシックメタルの4頭が相手の本線。
キングストーン、
トゥルーウインドも少し買いたい。