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フィリーズレビュー

  • 2005年03月14日(月) 12時42分
 勝ったラインクラフトは、これで距離1400mで3度目の1分21秒台。例年のステップレースの勝ち馬を確実に上回っている。今回の1分21秒2はレースレコードだった。本番に向けての視界はきわめて良好といえる。

 なおかつ今回は、休み明けで少し余裕を残した作り。パドックでも仕上がり絶好という気配でもなかった。レースでも上位を占めた有力馬の中ではもっとも苦しいレースをしている。道中は心持ち置かれ気味。勝負どころの4コーナー手前では、外からディアデラノビアにかぶされる形で、直線に向いてディアデラノビアが抜けかけたあと、その外に持ち出している。ここで慌てなかったのは、トライアルだからの余裕だろうが、それで他の有力馬をまとめて差し切ったのだから立派だ。

 同じエンドスウィープ産駒では、昨年のスイープトウショウより確実に一枚上のスケールと、総合力がある。

 異例の連闘策に出たディアデラノビアは、予定通りに外に回って差す形を取り、ほぼ能力を出し切っただろう。それで、白梅賞では問題にしなかったエアメサイアに差し負け、ラインクラフトにねじ伏せられたのだから仕方がない。もしこれで写真で3着に踏みとどまり出走権を得たとしても、もう本番での上積みは望めないローテーションだった。

 2着のデアリングハートは、好位から巧みにインに突っ込んだ好騎乗。減り続けていた馬体も少し戻っていた。12月のジュベナイルFを0.3秒差の馬だから、このくらいは走って納得だろう。本番では落ち着きが欲しい。

 3着エアメサイアは、流れに乗ってうまく外に出し完璧なレース運びで、かつ、現時点での力は100%出し切った感がある。一応は本番でも有力の1頭だが、武豊騎手が引き続いて乗るのか、それとも豊騎手はライラプスの方に乗るのかに興味がある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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