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スプリングS

  • 2005年03月21日(月) 13時11分
 ディープインパクトが一歩も二歩もリードしている勢力図は変わらないが、待望の新星が台頭してきた。勝ち時計は1分47秒3。これは02年のタニノギムレットの1分46秒9に次ぐ、スプリングS史上2位の好時計。また、レースの流れも本番の皐月賞で考えられるペースとほぼ同じ、1000m通過59.7秒だった。一連のステップレースのスローと異なり、厳しい流れになった結果、スローペースでしか好成績を残していない馬はすべて沈んでいる。

 ダンスインザモアはここまで重馬場の勝ち星しかなかったが、良馬場でこそを示した。まだ馬体がゆるいため大事に使い、ここまで4戦と上積みが望める。ビシッと追ったのも今回が初めてのこと。蛯名騎手の巧みなコース取りもあったが、多頭数でインを突けるのは大きい。一躍、有力馬に浮上したとしていいだろう。混戦になるほど望みが出てくる。

 ウインクルセイドも一転して一気に差してきたのは立派。重の京成杯はいいところがなかったが、こちらも良でこそだった。2000mでは既に2分01秒4がある。今回がフロックではない。

 期待していたパリブレストは気配は良かったが、大跳びでもまれる形も初めて。まったくいいところなく終わったが、好馬体の持ち主。東京のマイル前後がベストなのだろう。見直したい。

 人気のペールギュントは前走もささっていたように難しい馬で、乗り替わりは大きな不利だった。巻き返してくるだろうが、シンザン記念で接戦だったマイネルハーティーも前日の若葉Sでいいところなし。レースレベルに疑問は生じている。500キロのわりには線が細い。

 ヴァーミリアンは最も落ち着いて見えたが、あまりにも情けない内容でちょっとがっかりした。この馬も当然巻き返してくるが、ここまでの記録に出ているようにジリ脚だろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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