3年前に直線一気を決め、エアシャカール以下に完勝した時より、今回のサンライズペガサスの方がずっと強く、レース運びにも危なげがなかったから素晴らしい。3年ぶり、4年ぶりに同じ重賞を制した馬はスピードシンボリ、ヒダカハヤトなど他にもいるが、この馬は屈腱炎を2度、一年以上の休養を挟んでの記録だから立派。1分59秒0の勝ち時計は、3年前を0.1秒上回ってもいた。
今後も脚元と相談しながらの出走になるが、ちょっと手薄だった古馬の中距離路線に「斬れる」古豪が帰ってきた。阪神[4-1-0-0]、宝塚記念向きだろう。距離は2000m前後がベスト、ステイヤーではない面もある。
ハーツクライも立ち直った。4歳世代はトップのキングカメハメハが引退後、ちょっと不振だったが、ダービー卿ではダイワメジャーがノド鳴りの手術を成功させて復活するなど、これから巻き返してくるだろう。490キロ台に馬体が戻ったが、それでも線の細さを感じさせるくらいだから、まだこれから成長する馬だろう。こちらは春の天皇賞(有力馬は少ない)に向けメドが立った。
注目のアドマイヤグルーヴは22キロ増の馬体。ひと回り成長したのは確かだが、太めというよりやけにふっくら映りすぎた。この一族、母エアグルーヴも、その母ダイナカールも、さらにはシャダイフェザーまで、一時はあまり繁殖向きではないのではないかと言われた、シャープで研ぎ澄まされた体型を長所とする牝系だけに、ふっくらしすぎたアドマイヤグルーヴは、ひょっとして競走馬としてのピークは過ぎたのではないか。そういう不安(グルーヴにとっては悪いことではないのだが)は、少し生じた気もする。
6歳アドマイヤドンは決して馬体は悪くなく、それどころか絶好の気配にも見えたが、59キロとはいえ今回の内容だと、今後の芝レースの選択は難しい。