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皐月賞

  • 2005年04月18日(月) 12時46分
 スタートでつまずき、よろけた時。4コーナー手前で息を抜き、初めて気合のムチが入った時。2度ばかりドキッとさせたが、期待通りの、それ以上の完勝だった。ここまでの3勝は軽いストライドとバネだけが目立ち、迫力は感じさせなかったディープインパクトだが、今回は直線に向いての400m、真一文字に伸び、11.4-11.3秒のラップが刻まれたところで差を広げ、最後は馬なりで流したから凄い。ダービーも確勝だろう。

 これまで無敗の皐月賞馬は15頭いるが、理想の4〜6戦のキャリアで全勝となった馬のうち、ダービーに出走した馬は、史上1、1、1、2、1、1、1着。76年のトウショウボーイが2着惜敗だった以外、全てダービー馬となっているという歴史がある。ディープインパクトは無理のないステップで4戦4勝。体調キープは決して難しくないだろう。母は英オークス2着馬。祖母はバステッド(その父クレペロ)の産駒。スタミナの裏付けもある。

 今回の皐月賞の1分59秒2は、前後半の1000mずつが59.6-59.6秒と典型的な平均ペースで、スピード能力とスタミナが問われ、各馬の能力が存分に出し切れる流れだった。それを考えると、今回対戦したグループにはまず負けないだろうともいえる。

 シックスセンスは、きさらぎ賞、若葉Sの敗戦ですっかり株を下げてしまったが、1勝馬ながらずっと重賞路線を歩んできた期待馬。厳しい内容の2000mになって、秘める底力が生きたのだろう。互角のスタートでレースの流れに乗れた強みもあり、さすがはG1でのサンデー産駒というしかない。

 アドマイヤジャパンは16番枠から巧みにインに潜り込み、非の打ち所のないパーフェクトなレース運びを見せた。力の差は明らかになったが、ダービーでもディープインパクトの相手の1頭だろう。好馬体を誇ったダンスインザモアは、残念ながら案外。もう少し走れそうな力関係と思えたのだが・・・。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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