スマートフォン版へ

フローラS

  • 2005年04月25日(月) 12時36分
 勝ったディアデラノビアから、7着のヤマニンアリエルまで0.2秒の小差。特に、5着パーフェクトマッチまではクビ、クビ、アタマ、アタマの差。5頭もが横に並んだ形は、1983年のダイナカールのオークスを連想させた。

 大接戦になったのは、61.4-60.4秒の前後半になったスローな流れで、直線の入り口でほぼ一団。最後の3ハロンだけ(11.7-11.3-11.7秒)の勝負に持ち込まれたことにある。この形は切れ味の優劣であると同時に、いわゆる「能力の差」が出ることも多い。

 勝ったディアデラノビアは、外の15番枠もあって好スタートながらタメる作戦。最後は大外に出す形になった。馬群に詰まったりせず、スムーズに加速できたのは確かだが、2戦目の白梅賞(上がり34.0秒)で見せたのと同じ、強烈な決め手で鮮やかに差し切った。連闘までして桜花賞出走にこだわった馬だが、体型より距離適性の幅は広そうで、小柄な馬体ながらタフ。連闘後の反動がなかった。

 オークスも展望できる立場に立ったが、問題は騎手。同馬の切れをフルに生かす技術を持った騎手でないと、東京2400mは苦しい。武豊騎手にはエアメサイアがいる。難しくなりそうだ。

 2着のレースパイロットは、理想の好位のイン3番手追走。もっとも恵まれた位置にいたが、力強く抜け出すまでに至らなかった。通ったコースを考えると、ディアデラノビアには完敗ともいえる。自在性があり2400m向きは確かだが、フットワークに兄キングカメハメハのような柔軟性がなく、体も硬い印象を受ける。まず本番でも凡走はなさそうだが、有力馬まではいかないだろう。切れ味に欠ける。

 伏兵アスピリンスノーが粘りに粘り、二の脚を使って3着。さすが良血馬という可能性を見せたが、体はギリギリ。距離延長は歓迎ではないだろう。ピサノグラフも追っての切れがいま一歩。インで詰まったが、最後は内は開いていた。パーフェクトマッチは0.1秒差。伸びてはいたが、馬体に余裕がなかった。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング