◆桜花賞で勝ち負けできるような新星が出現するだろうか
昨年、このレースに出走していた関西馬レーヌミノル(4着)が、のちに「桜花賞」を制した。真冬のクイーンCの出走馬が桜花賞を勝ったのは、実に1986年のメジロラモーヌ(奇しくもクイーンCは同じ4着)以来、31年ぶりのことだった。
クイーンCの出走馬がなかなか桜花賞を勝てないのは、関西馬強しの勢力図によるところが大きいので、この時期の出走とは関係しないと思われそうだが、レーヌミノルは3番人気で完敗の4着。メジロラモーヌは人気の中心で、よもやの4着だった。
メジロラモーヌのころはまだ関東馬強しだったが、厳寒期のこの時期に完調でスパークしているようでは、「春4月の桜花賞で絶好調」にもっていくことは難しいと、言われたものである。時代は移り、桜花賞の地元の関西馬が強くなって、さらには出走ローテーションの変化もあり、調教技術も進歩した。クイーンCと桜花賞の結びつきの少なさがささやかれることはなかったが、レーヌミノルの勝利によって改めて浮き彫りになったことがある。
それは、「クイーンCの勝ち馬が、やがて桜花賞を勝った」のは、なんと40年以上も前の、もう古典の世界になるテイタニヤや、タマミが最後になることである。
今年、阪神JFを勝ったラッキーライラックや、男馬相手にシンザン記念を制したアーモンドアイは相当に強い。当然、トップは現在は英気を養っている。クイーンC組から、桜花賞で勝ち負けできるような新星が出現するだろうか。
前回の敗戦で人気の下がったテトラドラクマ(父ルーラーシップ)の巻き返しに注目したい。前回は中山1600mの大外16番枠を引きながらも、格上がりの初重賞で1番人気。石橋騎手にもプレッシャーが生じただろう。うまくスタートして好位の外につけたように見えたが、他馬に寄られてテトラドラクマはかかってしまった。鞍上のプレッシャーを感じ取ったのかもしれない。不利と、ロスが重なっての0秒5差は力負けではない。
今度は、2歳牝馬としては破格の1分33秒9(上がり34秒6)で圧勝した東京コースのマイル戦。
ファミリーはすぐ近くに名牝シーキングザパール(産駒に、種牡馬となって日→米→チリと移り、インドの大活躍馬の父となったというシーキングザダイヤ)のいるタフな一族出身。この牝馬も思われているよりタフかもしれない。ここまで4戦、移動や輸送があったにもかかわらず、ずっと同じ「468」キロである。