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京王杯スプリングC

  • 2005年05月16日(月) 12時19分
 1分20秒3(45.5秒-34.8秒)のレコードが記録された。突然の強い雨で滑る芝コンディション。差し馬勢には苦しい馬場となったが、リズム良く先行できたグループはみんな上位に粘っている。昨年の5〜6月の芝もそうだったが、雨に見舞われたらインの先行馬有利。これが東京芝のパターンになりつつある。

 内枠のアサクサデンエンは、一連のレースのように追い込む形では苦しかったろうが、早めに好位のインをキープ。逃げたニシノシタン(5着)をマークし、そのインから抜け出す積極的なレースで、これまでとは一変、先行抜け出しの形で一気にスパートした。

 新馬、特別を2連勝。とくに2戦目のひいらぎ賞(芝1600m)では1分34秒3で圧勝した馬。体質の弱さがあって長く条件級にとどまっていたが、1400mのインを引いたことで強気な先行策を取る決断がつき、遅まきながら一気に素質開花した。前走のマイラーズC(G2)では最後方から上がり33秒2の強烈な切れを見せていたから、体調良化と同時に急速なパワーアップもあったのだろう。1600mでは再三1分33秒台で乗り切り、最高1分32秒7もある。安田記念(G1)でも侮れなくなってきた。

 2着オレハマッテルゼもアサクサデンエンとほぼ同じ位置から早めにスパート。先行有利のコンディションをフルに生かした。こちらも目下のデキの良さが光っていた。

 差し馬勢では、馬群に揉まれながら3着に押し上げたテレグノシスは立派。東京巧者であると同時に、G1馬の底力を示した。ビシッと追って484キロ。昨年1分32秒6で2着した安田記念当時より10キロ以上も増えている。今年も好勝負だろう。アドマイヤマックス59キロと、ダンスインザムードは距離云々より、直前の雨がこたえたのだろう。ともにシャープな切れが持ち味。今日の馬場では仕方がない。プレシャスカフェは距離というよりピークすぎだったのだろうか。不利の無い位置で止まってしまった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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