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安田記念

  • 2005年06月06日(月) 13時29分
 03年アグネスデジタルのレコードが1分32秒1、今年は1分32秒3。ここ3年と同様に、ほぼレコードに匹敵するハイレベル。レースの前後半は45.6-46.7秒。目安になる1000m通過は57.4秒。現在の古馬のトップレベルからすると、前後半の差の少ない典型的な平均的な流れなのだろう。

 数字の上ではハイペースともいえる高速決着だが、勝ったアサクサデンエンの藤田騎手は「流れは落ち着いていた」いうぐらいで、サイレントウィットネスは、なだめて追走していたのだから、無理のないペースといえる。

 この流れを楽と感じたアサクサデンエンは、前走の1400mが1分20秒3のレコード。(今回の1400mは1分20秒1)。目下の充実ぶりと、圧倒的なスピード能力を裏付ける。一時は折り合いを考えて後方に控えるレースを続けたが、京王杯SCと同様、あまり下げないのが正解だった。

 スイープトウショウの2着は立派。楽に追走できるようなスローなら、切れを生かして好走も可能と思えたが、このペースでも追走に無理がなかったのだから立派なものだ。牡馬相手に東京1600mを1分32秒3で乗り切れる馬など滅多にない。

 3着サイレントウィットネス、4着ブリッシュラックの香港勢も負けたとはいえ、この中身は立派。左回り、初の坂…などの大きな死角と、シャティンより1600mで1.0〜1.5秒は高速の芝に対応できたのだから、遠征の不利を考えると(日程は厳しかった)、1・2着馬と少なくとも互角以上の総合力がある。

 カンパニーはキャリア、1600mの経験のなさを考えると、今後はマイル路線でもトップに立てる能力がある。アドマイヤマックスは案外の内容で、続けて底力のなさを露呈してしまった感がある。テレグノシス、ローエングリン、バランスオブゲームは残念だが、もう全盛の時はすぎた。ダイワメジャーは前回の反動か、今回は体が小さく見えた。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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