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エプソムC

  • 2005年06月13日(月) 12時43分
 派手な一面はないものの、地道に少しずつ力をつけてきた5歳馬の1・2着。いかにも、春シーズンの最終重賞らしい結果だった。

 断然人気はサイレントディール(ディープインパクトのスタッフ)。好位追走から抜け出しそうな手応えで、復活した実力馬の順当勝ちかと思えたが、レース中に落鉄してしまったという。アクシデントだからこれは仕方がない。あまりにも幸運が続きすぎただけに、ここでまたサイレントディールの快勝では、話がうまくできすぎ?の懸念はあったが、結果として今回に限り、この馬には運がなかった。宝塚記念に向かう予定なので、次走、改めて注目したい。デキは良かった。

 スズノマーチは、3歳春はクラシック候補の1頭。詰めの甘さと底力不足があって、やっと重賞に手が届いた形だが、ティンバーカントリー(障害でもダートでもトップホースを送り続ける)らしく、極めて丈夫でタフ。藤沢厩舎の所属馬にしては、5歳のここまでほとんど長い休養はなく、特にこの1年間は13戦もして[4-3-0-6]。一戦ごとに力をつけてきた。GI級に成長する力はともかく、この後もGII・GIIIの常連だろう。

 惜しくも2着に止まったグランリーオの方は、もっとタフ。ひと頃は、行きたがるのを無理に後方に控える形で入着ばかりを繰り返していたが、パワーアップの時期に内田博幸騎手で先行し、2勝したのが大きな転機となった。ソシアルトウショウの一族で、父はサニーブライアン。もともとがスピード色の濃い先行タイプだったのだろう。

 この1・2着馬、シーズン末期の重賞だがら例年あり得ることだが(中京も同じ)、内枠を引いたのも幸運だった。この日、内枠を通った先行型が大活躍している。

 37ヵ月ぶりのボーンキングの小差5着は、これはもう立派としか言いようがない。今週の特別戦(権利取りか?)にも、宝塚記念にもさっそく登録したが、完全復活なったら素晴らしいことだ。クロフネやジャングルポケット、アグネスタキオンの同期で、彼らに次ぐ馬だった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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