前日の「さくらんぼ特別」1000万条件で、前半3ハロン32.0秒が飛び出した。1000mの直線競馬を別にすると、レースの前半3ハロン32.0秒は日本記録に相当する。昨年も、今年も福島の芝1200mでは、前半3ハロン32秒台のダッシュ記録が再三飛び出している。
スタートして前半の3ハロンはほぼ一直線。3コーナーから、4コーナーを回ってゴールまでが、同じように約3ハロン。3コーナーまでに主導権を握ってしまえば好走必至のコース形態とあって、他場より前半が速くなる。
昨04年のバーデンバーデンCのカルストンライトオは、32.1-35.1秒だった。
今年のレース、人気のフサイチホクトセイ、シルキーラグーンのスタートが一番良かった。この2頭、逃げ馬ではないから無理に行くことなく少し控えめの先行策。伏兵ソルトレイクスターがハナを切る形になったため、前半の3ハロンは32.8秒。負担のかかるオーバーペースにはならなかった。無理がないから、後半の3ハロンも34.2秒。先行=好位グループが直線で抜け出してさらに伸びる形となり、1分07秒0のコースレコード。好位から抜け出したフサイチホクトセイを、マークしたシルキーラグーンがきっちり差し、同じ位置にいた伏兵スウィートエルフが粘り、差してきたのも5〜6番手追走のゴールデンキャスト。人気上位馬同士の決着だった。
シルキーラグーンは、カリカリはしていたものの、体つきがひと回り大きくなって466キロ。絶好調だった。パシフィカスの一族(10頭以上もが一気に輸入された)で、父はこの一族に最も合うブライアンズタイム。ナリタブライアン、ビワタケヒデ、ファレノプシスなどと似た血統構成になる。
前走、シーイズトウショウに完敗しているから、スプリンターズS(昨年は5着)の候補とまではいえないが、重賞級に育ってきたことは確かだろう。フサイチホクトセイもキャリアを考えると、次は確勝級だろう。