◆ディープインパクト産駒牝馬の記録にも注目
主役不在で混戦ムードの上半期GIシリーズの総決算、宝塚記念。今年はそれに加えて21年ぶりに外国馬が参戦し、どこに焦点をあてるか、そこに関心が集まる。
単純にとらえれば、ファン投票1位、一昨年に菊花賞、有馬記念を勝っているサトノダイヤモンドを信頼すればいい。昨秋の仏遠征以来長いトンネルに入ってしまったが、池江調教師はオルフェーヴルなど宝塚記念3勝と現役最多の勝利を挙げている。
馬の気分を変えるため調教パターンを換えてのぞんできている。阪神コースは4戦3勝、ルメール騎手はレースセンスがあり、長くラストの脚を使えると手応えをつかんでいた。ルメール騎手はこの春のGIは3勝、上半期を締めくくるにはふさわしい。
池江厩舎なら、鳴尾記念をレコード勝ちしたストロングタイタンには未知の魅力がある。チークピーシーズにメンコをつけ、その効果がはっきり出たが、遅咲きの5歳馬、過去にもこの例はあった。
少しひねった考え方もしてみたい。どのGI戦でも今やディープインパクト産駒は常連だが、この5年、ディープインパクト産駒の牝馬が3着以内に連続して6頭入っている。そのうち3着馬ヴィルシーナ、ショウナンパンドラ、ミッキークイーンの3頭の前走はいずれもヴィクトリアマイルだった。
その他は、2013年3着ジェンティルドンナの前走がドバイシーマクラシック、15年2着デニムアンドルビーが春の天皇賞、そして16年の1着マリアライトが目黒記念と、この3頭はいずれも牡馬相手の重賞だった。
今年は、ヴィブロスとスマートレイアーの2頭がディープインパクト産駒の牝馬で参戦する。実績ではドバイターフで1,2着のヴィブロスが上だが、距離を克服できるかがカギ。8歳馬スマートレイアーは叩き3走目、ずっと牡馬相手に戦い距離適性はこちらが上だ。どちらかが3着までに入れば、この記録は伸びる。
21年ぶりに参戦する外国馬、香港ダービー馬ワーザーが世界ナンバーワン騎手ボウマンで挑んでくる。かつての年度代表馬で、ムーア調教師はあと2年で定年。タフな馬場になればと期待している。他に、連覇のかかるサトノクラウン、春の天皇賞を見送って出走してくるキセキと挙げればきりがない。どこに夢を見出すか。