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函館記念

  • 2005年07月25日(月) 12時56分
 出走メンバーのうち半分の6頭までが、ステップレースの7月10日の巴賞(芝1800m)の出走馬。その巴賞は不良馬場で行われたため、1分55秒0(上がり38.8秒)も要した結果、この函館記念には直接は結びつかない結末の波乱と考えられていたが、巴賞とほとんど同じような結果だった。

 巴賞の1、2、3、4着馬が、今回は1、2、4、5着。別路線のウイングランツが3着に割って入っただけで、ほとんどステップレースの再現だった。レース全体の流れも、波乱を呼ぶことの多い函館記念にしては単調というべきか、意外なほどすんなり隊列が決まって、前半1000m通過60.7秒(後半60.0秒)のおとなしい平穏なペース。人気のブルートルネードがマイペースに持ち込み、勝ったエリモハリアーは好位のインの3〜4番手。

 直線は距離に不安のある2番手のグランリーオ(のどに弱いところがある)がバテ、早めに動いた上がり馬ウイングランツが外から差を詰めたものの、ブルートルネードが粘って、好位からエリモハリアーが巴賞と同じように伸びて抜け出している。

 巴賞の結果は、重の巧拙が明暗を分けたと思われたが思われたが、実は函館コースに対する適性と現在の力関係がそのまま反映されたもので、人気のエアセレソンは巻き返せなかった。

 エリモハリアーは巴賞の本田騎手から、再び主戦(所属の)北村浩に戻ったが、若い北村浩騎手は好スタートから流れに乗り、スムーズに、ストレートにエリモハリアーの力を出し切った。エリモシック、エリモダンディーの一族の出身で、この日は10キロ減の完璧な仕上がり。迫力こそ感じさせないが、渋い成長力をフルに示してみせた。このエリモハリアーによって種牡馬ジェネラス(不振のうちに、既に逆輸入されている)は、初の重賞制覇となった。セン馬のエリモハリアーはこのあと札幌記念を目標にする予定。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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