スマートフォン版へ

関屋記念

  • 2005年08月01日(月) 12時52分
 高速決着のスピード重賞はときに単調なレースになることも珍しくないが、今回は個性に溢れる馬の揃った18頭立て。直線で一転二転の激しいレースになった。

 流れは前後半が46.5-45.8秒。1000m通過が58.5秒だからスローにも近く、好位でなだめるように進み、直線に向いて早めに抜け出した1番人気のダイワメジャーにとっては理想的。完璧なレース運びで1分32秒4。上がりも33.6秒でまとめているのだから、勝ったに等しい文句なしの内容だった。

 これを後方から大外に持ち出し、捻じ伏せるように差し切ったのが7歳サイドワインダー(父トニービン)。シャープというより迫力に溢れる爆発力で、上がりは32.6秒。最後の3ハロンでは、少なくとも2ハロンは10秒台の猛ラップを刻んだことになる。

 ゴール寸前までささり気味だったが、最後は少しも止まっていないダイワメジャーが失速したかのように見えたから、ゴール寸前のストライドは素晴らしかった。京都で多くの勝ち星を記録するように、平坦の直線歓迎型なのだろうが、一昨年の富士Sの1分32秒4が示す切れ味は長い直線向き。トニービンの最大の長所をフルに受け継いでいるともいえる。

 母の全弟スターリングローズ(現在は種牡馬)が通算14勝もしたり、一族にはタフな種牡馬パークリージェントのいるファミリーの出身。この秋の目標はマイルCSというが、東京の2000mも持ちそうな気がする。秋の主役の1頭になった。

 ダイワメジャーはマイラーとして完全復活に近いだろう。今回は相手が走り過ぎた。伏兵インセンティブガイ、ニューベリーも1分32秒台で乗り切ったのだから上々だろう。

 びっくりしたのはコスモサンビーム。馬体こそ流石GI馬と納得の状態だったが、出足がつかず最後方追走。本来の位置取りではなく、全くレースの流れに乗れていなかったが、いつのまにか小差の5着。復活が見えている。これは立派な善戦だった。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング