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【デイリー杯2歳S】父系が非サンデー系でも好走可能

  • 2018年11月04日(日) 18時00分
ダノンジャスティス

▲グリーンデザートの父系となるダノンジャスティス(撮影:下野雄規)


過去5年の勝ち馬のうち、父ブラックタイドのタガノエスプレッソ以外の4頭はいずれも父系が非サンデーサイレンス系(とはいえ、この4頭の母父はいずれもサンデーサイレンス系)。ディープインパクト産駒は5頭出走して[0-2-2-1]、みんな好走するが勝ちきれない。京都外回りの重賞だが、タガノエスプレッソ、ボンセルヴィーソ、ノーブルマーズとトニービンの血を引く馬が穴になっているのが面白い。(解説:望田潤)


アドマイヤマーズ

 母ヴィアメディチはリウレイ賞(仏G3・芝1600m)に勝ち、母父メディチアンはエクリプスS(英G1・芝約10F)に勝った。ヘイロー3×5・5のクロスで、母系にアリシドンやルファビュリューが入り、そして母父が中距離型という堂々のダイワメジャー黄金配合だ。メジャーエンブレムを更に重厚しなやかにしたようなストライドは大箱向きで持続戦向き。ここは上がりだけのケイバになると取りこぼしも。

距離○ スピード○ 底力◎ コース○

シャドウエンペラー

 デボネアの甥でマローブルーのイトコ。近親にはドバイワールドCのムーンバラッドなどがいる。サウジアラビアRCは上がりが速すぎて追い込めなかったが、今の京都芝は馬場が荒れて外差しが届きやすいバイアスだけに巻き返したい。ただジャスタウェイ産駒は阪神外回り[1-3-0-5]に対し京都外回り[0-0-1-5]、ハーツクライやトニービン同様、京都の下りは不得手な傾向が今のところは出ている。

距離○ スピード○ 底力◎ コース△

ダノンジャスティス

 父キングマンはカルティエ賞年度代表馬の名マイラー。母マンビアはカルヴァドス賞(仏G3・芝1400m)勝ち馬で、近親にモーリスドニュイユ賞(仏G2・芝2800m)のインカントドリームがいる。自身はクリス4×4など強力な父母相似配合になっていて、現時点での完成度もなかなか高い。パワーを誇るグリーンデザートの父系ながら日本向きのしなやかさと俊敏さがあり、1F延長でも鋭い好位差しで勝ち負け。

距離○ スピード◎ 底力◎ コース○

ドナウデルタ

 母ドナウブルーは女傑ジェンティルドンナの全姉で、関屋記念と京都牝馬Sに勝ちヴィクトリアマイル2着。その母ドナブリーニはチェヴァリーパークS(英G1・芝6F)勝ち。そこにロードカナロアで、父母を足して割ったようなイメージの、柔らかさと強靭さを兼備した好マイラーに出た。重馬場で勝ち上がったが、京都外マイル良でも斬れる脚を使えるだろう。

距離◎ スピード○ 底力○ コース○

ハッピーアワー

ハービンジャー×ディープインパクトはケイティクレバーと同じ。母母フェアレストケープはヨハネスブルグの3/4同血の妹にあたり、この牝系のスピードで短距離を走っていると理解したい。デインヒルとオジジアンの力馬っぽさが出た前捌きで走るから、京都外マイルでは鋭さで一枚落ちる感はある。距離の1600もちょっと長いかもしれない。

距離△ スピード○ 底力○ コース△

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競馬ライター。血統評論家。育成牧場従業員を経て競馬通信社編集部に在籍、そこで笠雄二郎著「日本サラブレッド配合史」の影響を強く受ける。サイト「血統屋」「競馬道ONLINE」月刊誌「サラブレ」「ECLIPSE」などで血統に関するコラムや予想を執筆中。共著「パーフェクト種牡馬辞典2018-2019」も好評発売中で、馬主・生産者の配合アドバイザーも務める。ブログ「血は水よりも濃し」http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo

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