最も可能性にあふれるのはアーモンドアイだが、逆転も望めるのは…/ジャパンC
切れ味の勝負になればあの馬も侮れない
断然の1番人気に支持される【5-1-0-0】の3冠牝馬アーモンドアイ(父ロードカナロア)は、2012年のジェンティルドンナにつづいて、史上2頭目の3歳牝馬の勝ち馬となれるだろうか。
3冠牝馬ジェンティルドンナはあのとき【6-1-0-1】であり、東京2400mのオークスの内容は2分23秒6(上がり34秒2)だった。アーモンドアイは2分23秒8(上がり33秒2)。この時点でほとんど互角かそれ以上である。
3歳牝馬で2着したのは1982年オールアロング(翌年の凱旋門賞馬)、1991年マジックナイト(直前の凱旋門賞2着)など史上4頭しかいないので、アーモンドアイが来期は海外(凱旋門賞…)へという展望は、ジャパンCを快走するとき具体化して不思議ない。
今年のメンバーの中で、もっとも可能性にあふれ、さらに大きく広がる未来展望をかかげていいのが3歳牝馬アーモンドアイであるのは間違いない。
しかし、単勝オッズは(1.3〜1.5倍)。どういう馬券で参加するにしても、相手(ライバル)を絞らなければいけない。
2番人気でも4歳スワーヴリチャード(父ハーツクライ)を、逆転も望める相手の1番手にしたい。前回の天皇賞(秋)の敗因は、休み明けとあって入念に乗り込んでの出走だったが、当日は気迫一歩。落ち着きというより、気合が抜けていた。
スタートであおり気味に両脚を上げると、着地する前にいきなり横からぶつけられてしまった。完全にリズムが狂った追走は、ロスをカバーしようと内に入れると、外から被されて外に回ることができなかった。最後の直線、一応は追う形をとったが、実際は3コーナーで人馬ともに勝ち負けはあきらめている。
今回は、闘志の充実を図ろうと、間隔も考慮して強い調教をひかえている。好結果に結びつきそうに思える。
ジャパンCに限らず、レースはふつう内枠有利だが、ジャパンCは創設からしばらく「14,10,14,10,15,10,11,16番…」。外枠の馬ばかりが勝ち続けた。理由は難しいが、力のある馬にトップ騎手が乗って、多頭数でコーナーを4回も通過するレースだと、タイトな馬群が形成されるほどに、プレッシャーを受けつづける内枠の馬はきびしくなるからだと考えられた。
最近は内枠の勝ち馬が多い。強力な外国馬(騎手)の来日は少なくなり、タイトな馬群は生まれないからではないか、といわれる。しかし、今年の7人のカタカナ表記の騎手は、望みのない馬に乗っているわけではない。内がガラガラ空くようなレースにはならないだろう。
スワーヴリチャードの外枠は、上手ではないスタートも考えると、かえって好材料。春の大阪杯でみせた後半1000m推定「56秒1」と同じようなロングスパートをかけて先頭に立ちたい。
切れ味の勝負になって侮れないのは、4歳ミッキースワロー(父トーセンホマレボシ)。重賞勝ちは昨秋のセントライト記念2200mだけだが、あのレースの4コーナー手前からは「11秒3-11秒0」。これをミッキースワローは中団から一気に差し、最後11秒0の地点で2着アルアイン(皐月賞馬)を1馬身4分の3も突き放している。
父がカンパニーと同じクラフティワイフ一族で、母の父はジャングルポケット(その父トニービン)。初の東京コースは合う可能性が高い。