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同じセン馬としてサウンドトゥルーを上回る活躍を期待したい/チャンピオンズC

  • 2018年12月01日(土) 18時00分

思われる以上に、途中からきびしい流れになる可能性がある


 中京ダート1800mに変わってまだ5回目。中京ダートは先行タイプ向きとされるが、オープンクラスのレースは少ないため、下級条件戦の印象が強いからかもしれない。同じ左回りダートの直線の長さは「東京…約502m、中京…約411m、新潟…約354m」であり、中京は同時開催中の「中山…約308m、阪神…約353m」と比較しても短くなく、回りも新潟ほど小回りではない。直線の長さが「先行馬向き、差し馬向き」と直結するわけではないが、本当に先行馬向きなのだろうか。

 過去4回のタイムは「1分50秒1〜1分51秒0」の間に集中する。前半1000m60秒台だった2回は「差し=追い込み」「追い込み=差し」の1〜2着で、前半1000m通過61秒0以上の2回は「先行=差し」「追い込み=先行」の決着だった。オープンの、ましてGIとなると、いわれるほど先行有利ではない。少し流れが厳しくなると差し、追い込み馬も十分に台頭できる。

 今年、スロー〜平均ペースの緩い流れだろうと予測される。先手を取るかもしれないのは人気のサンライズソア(モレイラ)、パヴェル(グティエレス)、アンジュデジール(横山典)くらい。落ち着いた流れになる公算大だが、大活躍中のモレイラ騎手が先行するからこそ、途中から動く馬、早めのスパートに出る馬が出現しそうに思える。意外や、途中から思われる以上にきびしい流れになる可能性がある。

 先行馬向きの流れでは不発だろうが、追い込むノンコノユメ(父トワイニング)に期待したい。3歳時にこのGIを2着するなど、4歳前半まで【6-4-1-2】だったノンコノユメは、あまりに気性難が激しくなったため、4歳後半からセン馬になった。以降、【2-0-0-9】なので、去勢したのが正解とは出ていないが、体質変化の低迷期があるのは当然のこと。それでも今春「根岸S→フェブラリーS」連勝を決めているから、セン馬になったのが不正解とはいえない。そのあとの前3戦は「4、4、4」着だが、自身の出遅れ、追い込みの利かない展開、不向きなコースなど、明確な敗因があった。

 ダート巧者だからこういう成績になりがちだが、去勢直後で明らかな不振期だった4歳後半を別にすると、11月〜3月の寒い時期は【5-3-1-2】。セン馬になってから一度も人気の中心になったことはないが、今春、4番人気にとどまったフェブラリーSを差し切ったあたり、典型的な冬馬の可能性もある。

 体調は悪くない。もう本来のノンコノユメに復活している。3歳時のこのレース2着は、前半「60秒2」の厳しい流れが味方したのは事実だが、ここまでこのレースは3回挑戦し「0秒2差、0秒4差、0秒6差」。さらにタフになって、この秋、公営へ移籍した同じセン馬だった8歳サウンドトゥルー(統一ダートGIを3勝)を上回るくらいの活躍をしてもらおう。穴馬に、同じセン馬のウェスタールンド(2走前は勝ったオメガパフュームのクビ差2着)を加えたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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